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AI×量子コンピュータで社会課題を解決 ─ 福岡のAIベンチャー、グルーヴノーツの挑戦


 グルーヴノーツという企業がある。本拠地は福岡。代表取締役社長を務めるのは、イーシー・ワンの創業者としても知られる最首英裕氏だ。グルーヴノーツは誰もが簡単に利用できるAIとして「MAGELLAN BLOCKS」を提供、4月には量子コンピュータを活用した「組合せ最適化ソリューション」もベータとして提供開始した。最首氏にグルーヴノーツの思想、MAGELLAN BLOCKSで目指すことについて聞いた。

お客様のニーズと自分たちができることへのギャップに違和感

グルーヴノーツ 代表取締役社長 最首英裕氏
グルーヴノーツ 代表取締役社長 最首英裕氏

── イーシー・ワンの後、福岡に拠点を移し2011年にグルーヴノーツを立ち上げました。立ち上げの経緯をお聞かせください。

最首氏:イーシー・ワンはお客様の要望に合わせてシステムを作るシステムインテグレーター(SI)でしたが、当時仕事をやればやるほどジレンマを感じていました。自分たちがやれることが10とすれば、お客様から求められるのは1とか2ーーお客様がやりたいことと自分たちができることの間のギャップが開いていくことを感じていたのです。本当はもっと画期的なことがあるのに、なぜお客様はそれを選ぶことができないのか?

 イーシー・ワンでは、先駆けて分散システムの開発に取り組んでいましたが、パフォーマンスを上げる方法も、データ保持の方法も次々と新しいやり方が生まれているのに、お客様はなぜそれを使わないんだろう?ーーそのうちに、顧客の要望に合わせて何かを作るという受託開発という構造に問題がある、間違っているのではないかと思い始めました。

 お客様の中に答えはないーーー技術的な答えもないし、業務的な答えもなくなっているのではないか。つまり、要件定義の仕方を工夫するとか、開発手法を工夫するとかいうレベルの話ではなく、こちらから提示すべきではないかーー“そもそも考え方を変えませんか”と。

 偶然にも同じ頃、イーシー・ワンをマネジメントバイアウトすることに決め、SI事業を売却して小さな組織にしました。結果的に福岡にあった会社に資金を入れて自分が筆頭株主になり、当時の社員を呼び寄せてグルーヴノーツを作りました。

 福岡に移った理由は、この問題を考えているときに東京という都市でやることの限界も感じていたからです。東京はテクノロジーと現場が遠い気がします。技術者が技術を勉強するために技術者コミュニティに参加する、というのではなく、本当の発展とは、社会の課題があり、そこにみんなが向き合うことなのではと感じ始めていました。福岡は排他的ではないし、新しいことに前向きだし、優秀な大学がある。待遇がいいというよりも、尊敬できる人がいるとか仲間との絆があるから頑張れるという雰囲気もあり、ビジネスをやる上で重要なことはそういうことなのではないかとも思ったんです。

 これまでの自分の過去を一旦否定し、仕事のやり方を変えて受託から提示型へ、自分が生活し、ビジネスする拠点を東京から福岡へ移そう、これが経緯です。

ーー”提示する”とは具体的にどういうことですか?

最首氏:難しいですよね。動くものを見せるのが理想ですが、いきなり作れないし見せられない。突き詰めて考えた結果、単純に解決策を提示するのではなく、議論を提示する。つまり、お客様の中で質の高い議論が始まるものを提示するのです。自分たちが触媒となり、自分たちが提示したものを土台に、お客様の中で議論が始まる。それまで顕在化していなかった本当の課題が顕在化し、そこで答えが生まれること、これを支援したいのです。

 ここに行き着いたのも、やはり福岡だったからかもしれません。当初、議論を呼ぶようなものというところまでは考えていましたが、僕もエンジニアなので、エンジニアのためのツールだったり開発者が簡単に開発できるためのものという”エンジニア”の先入観から抜け出せなかったのです。ところが福岡では、コミュニティといっても同業者だけが集まることは少なく、幅広い職種の人が集まることが多い。そのバランス感が先入観を壊してくれました。

 その結果、エンジニアじゃない普通の人が世の中で考え、動かしているということを実感したんです。当たり前ですが、それぐらい先入観で凝り固まっていたのかもしれません。

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「熱気を持ってチームで取り組む」社名に込めた思い

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この記事の著者

末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)

フリーランスライター。二児の母。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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