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SaaSビジネスのリーダー「CRO」、そのミッションは売上最大化

edited by Operation Online   2019/11/05 06:00

 事業の売上最大化をミッションとするCRO(Chief Revenue Officer)。この記事では、2019年10月3日にFORCASが主催したイベント「CRO JAM - 急成長SaaS企業が実行するレベニュー組織のつくり方 -」で行われたパネルディスカッションのうち、第二部の「挑戦し続けるCROたちのリアル」の内容を紹介する。

<p>パネリスト: <br>freee株式会社 執行役員CMO ユーザー事業本部長 川西康之氏 <br>株式会社MyRefer 取締役COO 細田亮佑氏 <br>アライドアーキテクツ株式会社 執行役員 藤田佳佑氏 <br>モデレーター: <br>株式会社FORCAS マーケティング&ブランディングチーム マネージャー 酒居潤平氏</p>

パネリスト:
freee株式会社 執行役員CMO ユーザー事業本部長 川西康之氏
株式会社MyRefer 取締役COO 細田亮佑氏
アライドアーキテクツ株式会社 執行役員 藤田佳佑氏
モデレーター:
株式会社FORCAS マーケティング&ブランディングチーム マネージャー 酒居潤平氏

CROとはどんな仕事なのか?

酒居:私自身は普段はFORCASでマーケティング活動のリーダーを務めています。第二部では肩書きはそれぞれ違っても、実質的にCROをやっている3人に一部よりも突っ込んだ質問をしていきたいと思います。それぞれの自己紹介からお願いできますか。

川西:freeeはSMBを中心に会計、人事・労務に関するソフトウェアをクラウドで提供し、バックオフィス業務の効率化を支援する会社です。今の社員数は約500人。私はビジネス部門全体の責任者をしています。個人事業主から社員数300〜500人の会社まで、幅広いお客様にプロダクトを提供しています。現在、顧客セグメントや注力領域に合わせて5つの事業部があり、それぞれがP/Lを持っています。最も人数が多い事業部の責任者も兼務していますが、基本的には5つの事業部すべての売上の最大化が私のミッションです。

細田:MyReferは2018年3月に創業した会社で、リファラル採用をクラウド化したサービスを提供しています。私は創業メンバーとして入社し、オペレーションを中心にビジネス全般を見ています。今の社員数は約30人です。

藤田:アライドアーキテクツは広告代理店ビジネスが中心の会社でしたが、2年前に経営方針を転換。現在は広告代理店事業に加え、企業のマーケティング活動をソーシャルテクノロジーで支援するSaaSプロダクトを提供しています。SaaSビジネスの体制は全部で70人程度です。私も川西さんと同じで、最も売上が大きい事業部の責任者と他の事業部のマーケティングとセールスもやっています。

酒居:縦と横を見ないといけないとすると、頭の切り替えはどうするのでしょうか。

川西:難しいですね。会社全体の売上の最大化というCROとしての役割と比べると、事業部長の役割は副次的なことになります。ですが、実際は事業部長として数字を達成できていないと他の事業部が付いてきません。これがfreeeで売上を作るということだと見せられないといけないと思っています。正直なところ、事業部間の調整よりもお客様のところで「もっとこうしましょう」と言っている方がずっと楽しいです。

酒居:freeeでは組織体制をかなりの頻度で見直していますよね。

川西:定期的な組織の見直しは半年に一度、大きいものは1.5〜2年に一度。最近、大きい再編があったばかりです。意識しているのは短期的な売上の最大化と中長期的なミッションの両立です。売上ばかりを気にしている時に、ミッションのことは考えられません。だからと言って、組織や人事を現状維持のままにすると、成長できないという危機感があります。そこで組織を変えたり、事業部間でわざとコンフリクトが起きるよう煽り立てたりするのです。

酒居:川西さんは元々はCMOですが、役割が広がったのはなぜでしょうか。

川西:自然にそうなりました。CROが必要になった背景と関係しますが、部門間連携はただの手段に過ぎません。SaaSのビジネスモデルの中心にいるのはお客様です。お客様を取り巻く円に起点はないわけですから。マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスの人たちと話をすることが大事だと思います。

酒居:細田さんはCOOですが、具体的に何をしていますか。

細田:MyReferではまだ部門長や事業部長クラスが少ないのでCEOと私が兼任する役割が多いです。CEOがプロダクトの事業開発とカスタマーサクセス、私がマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスまでを見ている分担です。カスタマーサクセスは攻めと守りの両方を一人でやると混乱することに気付き、守りのカスタマーサクセスと攻めのカスタマーサクセスを分け、それぞれに目標設定をしようと改めたばかりです。

酒居:藤田さんの取り組みも教えてください。

藤田:この半年に注力してきたのはカスタマーサクセスです。カスタマーサクセス全員を集め、週に2回1時間程度のレクチャーの講師を私が務め、スキル向上に取り組んできました。3つある事業部ごとに差があるので、その時々に改善したいタスクに時間を使うようにしています。

 タスクの優先順位は計画をベースに決めます。2年間の計画を立てながら、並行して四半期の計画も立て、マーケティングからカスタマーサクセスまでの機能ごとのKPI、各事業部の売上とコストの見通しを確認すると手を打つべきポイントが見えてきます。メンバーにヒアリングをして、根が深そうだと思ったら私が介入し、リーダーができるとわかったら任せますね。

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著者プロフィール

  • 冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

     IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...

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