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日本IBM山口社長が示したデジタル社会のビッグピクチャーと金融向けのフレームワーク

 日本IBMの山口明夫社長は6月16日にオンラインで会見を行い、同社の重点施策とDXの全体像を示した。また金融業界向けの「オープンソーシング戦略フレームワーク」も発表した。

オープンクラウドの「本気度」が浸透してきた

日本IBM 代表取締役社長執行役員 山口明夫氏
日本IBM 代表取締役社長執行役員 山口明夫氏

「多くの企業がデジタル変革を、ここ4、5年の間で進めようと考えていた。それが今回のコロナの危機によって直ちに始めなければならなくなった」――冒頭、山口社長はこう語り、デジタル化へのシフトの急務化を告げた。

 社長就任後のこの1年で発表された取り組みの数々を披露しながら、特にクラウドの戦略面を強調した。「お客様はクラウドの選択肢はどれでも構わない。一度作ったクラウドのシステムをどこでも利用できること」とオープンクラウドの可搬性の重要さを指摘。その主要テクノロジーがコンテナであるとし、レッドハットのOpenShiftの意義を語った。また先ごろ最新バージョンを発表した「Cloud Paks」などの成果を紹介し、「IBMのクラウドへの本気度が顧客に受け入れられてきた」と胸を張った。

金融DXを加速する「オープン・ソーシング戦略フレームワーク」

 この日発表されたメインのテーマは、金融業界向けの「オープン・ソーシング戦略フレームワーク」(IBM Digital Services Platform for Financial Services。以下、DSP)というもの。

 DSPは金融業界での共通サービスをオープンで迅速に提供していくためのフレームワーク群だ。IBMのクラウド基盤上に配備する機能群を、1)フロントサービス、2)オープンプラットフォームによるデジタルサービス、3)基幹系連携のビジネス・サービスの3つの分野に整理・体系化している。

 1)のフロントサービスとは、これまで各銀行が独自のサービスとして開発してきたアプリやフィンテック企業が提供してきたサービスなどだ。このフロントのサービスを、3)の基幹系へつなぐ橋渡しとなるのが中心に位置する2)のオープンプラットフォームという構造になる。

「これまで金融各社が新しいサービスを展開するためには、基幹系・勘定系との連携のために膨大な作り込みが発生した。そのため、ワークロードが重くコストもかかった。DSPはこの課題を解決するもの」と山口社長は語り、満を持した発表であることを印象づけた。

 DSPのアーキテクチャーは、クラウドネイティブ技術、Red Hat OpenShift、マイクロサービス技術、アジャイルをはじめとする新技術や新手法によって実現したもの。

 とくに、DSPに含まれるマイクロサービスは、認証、諸届、口座照会、振替、資金移動といったサービスを実行するための共通サービス部品で、2020年5月現在で81種類のAPIが利用可能であり、2020年内に147種類、2021年3月までに181種類に増やしていく予定だという。

「DSPによって金融系サービスの開発が迅速化し、銀行だけでなく生保など含め、金融業界としてのデジタル変革に貢献する」と山口社長は自信を見せる。

 さらにその先には「金融サービス向けのパブリッククラウド」を準備していることを明かす。「金融業界のデータの特性から一部はオンプレミスを含んだハイブリッドクラウドになるが、金融業界のセキュリティ要件、堅牢性、制度対応を満たすため米IBM本社とも共同で取り組んでいる」と言う。

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京部康男 (編集部)(キョウベヤスオ)

ライター兼エディター。翔泳社EnterpriseZineには業務委託として関わる。翔泳社在籍時には各種イベントの立ち上げやメディア、書籍、イベントに関わってきた。現在は、EnterpriseZineをメインにした取材編集活動、フリーランスとして企業のWeb記事作成、企業出版の支援などもおこなっている。 ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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