
SAS Instituteが6月にオンラインで開催した「SAS Global Forum 2020」、最大の目玉となったのはMicrosoftとの提携だろう。会期中、プレス向けに開かれたラウンドテーブルでは、COO兼CTOのOliver Schabenberger氏ら経営陣が提携の詳細とクラウド戦略、次期「Viya 4」などについて話した。
SASの戦略指針となる「アナリティクスの3原則」とは?
SASでエグゼクティブバイスプレジデント、COO兼CTOを務めるSchabenberger氏はまず、創業44年のSASが常に変化に適応してきたと切り出す。現在の変化のキーワードとして、「デジタルトランスフォーメーション、クラウドコンピューティング、オープンソース技術、AI」をあげた。
財務状況については、「3分の2の営業収益が契約更新だ。謝金はなく、外部の投資にも依存していない。しかし、新型コロナウイルス感染症により、44年続いた成長と収益性が途切れる可能性があるが、仕方がないことだ。一方で、創業者のJim Goodnight博士は、新型コロナの影響としての一時解雇を行わないことも明らかにしている。これがSASのやり方だ」と述べた。
Schabenberger氏はSASの長期的なビジョンとして、「アナリティクスの原則」を紹介する。
- データのあるところにアナリティクスがある。“アナリティクスエブリウェア”
- アナリティクスを全員に。アナリティクスの民主化
- アナリティクスはアルゴリズム以上の価値を持つ。データ手動で問題をエンドツーエンドプロセスで解決する
この3つの原則が、SASの戦略の方針を決定する指標となっている、とSchabenberger氏。「アナリティクスとAIは、スマートで自動的、信頼性、説明性のある意思決定システムを拡張性のある形で運用する新しい世界を支援している。その多くがクラウドにある」と述べ、クラウド重視の見解を示した。

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末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)
フリーランスライター。二児の母。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている。
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