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CIOが2021年に取り組むべき4つのテーマ、ガートナー アナリストが提言

「Gartner IT Symposium/Xpo 2020 in Japan」レポート


 2020年は世界全体が試練に見舞われた。緊急事態宣言以降、経営者はIT部門が訴えてきたデジタルトランスフォーメーション(DX)の価値を実感したことであろう。2021年に向けてCIOはどんなテーマに重点的に取り組むべきか。11月19日に行われたオンラインイベント「Gartner IT Symposium/Xpo 2020 in Japan」で、アナリストのアンディ・ラウゼル・ジョーンズ氏(ディスティングイッシュト バイス プレジデント アナリスト)が行った講演「2021年のCIOアジェンダ:未来の再構築」の中から探りたい。

CIOの抵抗勢力は減り、地位は向上した

 多くのCIOにとって、2020年はデジタルビジネスの加速を実証した年になったのではないだろうか。チャレンジができたリーダーは、経営層に対し、デジタルで違いを生むことが可能であることを証明できたはずだ。ジョーンズ氏は毎年実施しているCIOを対象とした調査結果のハイライトを紹介した。今回の調査は、世界74カ国のあらゆる主要業種に属する1,877人のCIOが参加した。

ガートナー ディスティングイッシュト バイス プレジデント, アナリスト アンディ・ラウゼル・ジョーンズ氏

 ジョーンズ氏が最初に指摘したのは、2019年から2020年にかけてデジタル化の成熟が大きく進行していること、そして組織におけるCIOの位置づけが上昇傾向にあることだ。企業がDXを加速させていること自体はさほど驚くことではないが、注目すべきは抵抗勢力が減少したことであろう。

 未曾有の事態に直面し、経営層の誰もがデジタルの価値と重要性を認識した。と言うのも、主としてリモートワーク環境の提供で、ビジネスを止めないことができると証明できたからだ。成果を出せれば、経営層からの信頼も当然厚くなる。2019年から2020年にかけてCIOへの信頼度は全般的に上昇している傾向にあり、経営層から意見を求められるパートナーの地位を確保しつつある傾向が見られたという。

 結果を出せたCIOにとっては良い年であったが、2021年以降もビジネスのデジタル化を加速させることが求められる。2020年に整備した仕組みを組織に根付かせ、さらなる変革を進めなくてはならない。「明確な目的を持ち、2020年よりも強力なリーダーになるチャンスを迎えている」とジョーンズ氏は訴えた。CIO調査から明らかになったのは、チャンスを掴むためには「戦法を変える」「増幅力を解き放つ」「足かせを減らす」「リソースの投入先を変える」の4つのテーマに取り組むべきということだ(図1)。

<p>図1:2021年に向けてCIOが取り組むべきテーマ 出典:ガートナー</p>

図1:2021年に向けてCIOが取り組むべきテーマ 出典:ガートナー

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2020年らしさの現れた3つの事例

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この記事の著者

冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

 IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...

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