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データ活用を武器にコロナ禍の厳しい現実と戦う/SAS FORUM JAPAN 2020基調講演

edited by DB Online   2020/12/18 09:00

 SASは、国内最大級のアナリティクス専門カンファレンス「SAS FORUM JAPAN 2020」を2020年11月にオンラインで開催した。60を超えるセッションを8つのトラックで実施し、先進ユーザー事例やAIやIoTなどイノベーションのための最新テクノロジの解説などが行われた。基調講演にはSAS Institute Japan 代表取締役社長の堀田徹哉氏が登場し、COVID-19により世界中で大きな変革が求められており、予測困難な未来を見極めるために「データの活用」が重要であることを改めて指摘した。そしてデータサイエンスを活用し、コロナ禍でも企業がデジタル変革していくためのSASの戦略、SASを活用して変革を進めている企業の事例も紹介された。

コロナ禍の不確定な時代にさらに重要性を増すデータサイエンス

 人類はこれまで、多くの危機を乗り越えてきた。氷河期を乗り越え人類として繁栄し、14世紀にはペストの流行で人口の22%が死滅するという危機も乗り越え、後のルネッサンスで再び繁栄する。さらに戦争を繰り返しながらもその危機から復帰し、様々な技術的な進化も遂げた。

 「東西冷戦の中からは、耐障害性の高いネットワークとしてARPANETが生まれ、それが現在のインターネットにつながり、今やなくてはならないインフラです」と堀田氏。他にも危機が進化を加速した例はたくさんあると言う。

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SAS Institute Japan 代表取締役社長 堀田徹哉氏

 コロナ禍の危機は、何を与えるのか。1つがデジタル化の加速だ。様々なものがオンラインで行われるようになり、あらゆるところがデジタル化している。結果的に人と人のやり取りは加速し「物理的な制約からの解放も、コロナの正の部分です。明るい面を捉え、革新につなげることが大事です」と指摘、コロナ禍をチャンスに変えるために最も必要なのはデータサイエンスだと言う。

 感染症対策そのものが、データサイエンスだ。感染が今後どう拡がるかをデータをもとに予測し、対策もデータに基づいて考えられる。「これほどデータサイエンスの分析結果が衆目を集め、人々が自らの行動を変えた事例は見たことがありません」と堀田氏。データサイエンスが人類史上最も社会にインパクトを与えているのだ。

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 データサイエンスの感染症への適用として、古くから感染症の流行を予測する数学モデル“SIR”がある。これは感受性保持者(Susceptible)、感染者(Infected)、免疫保持者(Recovered)の3つの状態から連立微分方程式で人口動態をシミュレーションするものだ。

 18世紀の数学者であるダニエル・ベルヌーイが作ったモデルがもとで、今なお使われている。感染症だけでなくビジネスでも利用され、たとえばマーケティングの口コミで拡がる“Viral Marketing”は、ウイルス性を表す“Viral”からきており、シミュレーションにSIRモデルが使われている。

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著者プロフィール

  • 谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

    EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーター かつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリストとして、クラウド、データベース、ビッグデータ活用などをキーワードに、エンタープライズIT関連の取材、執筆を行っている。

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連載:SAS FORUM JAPAN 2020レポート
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