
デジタル化を進めて蓄積したデータをデジタルトランスフォーメーション(DX)につなげるには、分析が不可欠だ。分析から洞察を得て、新しいビジネスの創出や顧客満足の改善などの取り組みにつなげることができるからだ。データアナリティクスの老舗であり大手のSAS Instituteは、自社アナリティクスをクラウドでも提供している。SAS Institute Japanが2020年11月にオンラインで開催した「SAS FORUM Japan 2020」では、Cloudソリューショングループでマネージャーを務める檜皮孝史氏が、SAS Cloudのメリットを中心に紹介した。
99%のSLAを保証、20年の実績を持つSAS Cloudとは
自社でインフラの管理が不要になるなど、様々なメリットを持つクラウド。日本でも既に約60%の企業が導入している。既に機運が高まり始めていたDXに加え、新型コロナウイルス感染症の対策としてリモートワークが進み、事業継続性の重要性が見直された。クラウドはこれらの対策支援にもなる。
SASのアナリティクスをクラウド形式で導入・利用できる「SAS Cloud」、檜皮氏によると実は20年以上前から提供しており、500社近くの顧客が導入しているという。

SAS Cloudは、SASが管理するクラウド環境上でSASのアナリティクスソフトウェアを利用できるクラウドサービスだ。インフラ環境はSASのソフトウェア向けに最適化されており、顧客は自社で管理する必要はない。

サーバー、ネットワーク、OSなどをSASの専門家が管理しており、稼働率は24時間365日99%をSLA(Service Level Agreement)として保証するという。もちろん、障害発生時のリカバリーも迅速で、優先度が高い問い合わせには最短30分で応答する。障害が発生する前に稼働に異常が出そうだといったアラートを出すなど、プロアクティブな対応も実施しているとのこと。
これらの特徴に加え、檜皮氏は管理面のメリットも強調する。オンプレミスで動かす場合は、ハードウェアやネットワークなどそれぞれのベンダーと契約しなければならない。
この場合、障害発生時にどこに問題があるのかを顧客が特定し、それぞれのベンダーとやりとりをすることになる。一方、SAS Cloudなら一元的にSASと契約する。管理はSASがすべて行うため、複数ベンダーによる煩雑な管理から解放される。
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末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)
フリーランスライター。二児の母。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている。
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