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新CEO体制のTeradataが戦略語る:データ分析プラットフォーム「Vantage」でクラウドファーストへ

edited by DB Online   2020/12/16 08:00

 データウェアハウス用のアプライアンス製品の老舗ベンダーであり、最近はトータルなデータ活用のクラウドデータ分析プラットフォーム"Vantage"を提供するTeradata。2020年6月には社長兼CEOとして、新たにスティーブ・マクミラン氏が就任し、新体制でクラウドに注力し顧客のデジタル変革を支援しようとしている。Teradataの新たなクラウドの戦略、日本での対応状況について、Teradata アジア太平洋地域及び日本、ヨーロッパ、中東、アフリカ担当 エグゼクティブ・バイス・プレジデントのキース・バッジ氏に話を訊いた。

日本は他のアジア地域よりもデータ活用のクラウドの成長率が高い

キース・バッジ氏 テラデータ・コーポレーションアジア 太平洋地域及び日本、ヨーロッパ、中東、アフリカ担当 エグゼクティブ・バイス・プレジデント
キース・バッジ氏 
テラデータ・コーポレーション エグゼクティブ・バイス・プレジデント

―― TeradataはVantageでマルチクラウドでのデータ活用に力を入れています。一方で日本はデータ活用の領域においてクラウドへのシフトが遅れている感もあります。Teradataでは日本におけるデータ活用のクラウドシフトの状況をどのようにとらえていますか。日本の状況は、欧米や他のアジア地域と違いがありますか。

バッジ氏:Teradataはもともとオンプレミスのデータ活用のビジネスを40年間以上おこなってきました。長い間のビジネス経験の中で、大きなオンプレミスのカスタマーベースを築いてきました。それらの顧客がここ1年ほど、かなり速いペースでワークロードをクラウドに移しています。私は主にアジアと日本、さらに欧州のビジネスを見ていますが、中でも日本は迅速な移行が起きています。既存のシステムも新規のシステムもクラウドでとの顧客が増えており、日本におけるクラウドビジネスの成長率は、アジアパシフィック地域の中でも一番高くなっています。これは、これまでの保守的な日本の傾向とは大きく異なるところだと思います。

 なぜ日本でこれだけクラウドへの移行が加速しているのか。1つは競争の激しい業界で、積極的にクラウドを利用する動きがあります。たとえば銀行以外の金融サービス、たとえば我々の顧客ではMS&ADやJCBがその代表となりますが、彼らはデータアナリティクスを活用し競争に勝とうとしています。この業界は従来の競合だけでなく、全く新しい競合が登場しており、その競争にデータ活用が欠かせません。

 製薬業界もクラウドでのデータ活用に積極的です。膨大なデータを使い収益性を管理するところでクラウドでTeradataを活用しています。さらに自動車業界でもクラウドシフトが起きています。自動車業界ではデータ活用で、顧客サービスの改善をしようとしています。そのためにたとえばメンテナンスの履歴データなどを用い、個別対応するような際にクラウドでデータ活用する動きとなっています。さらに自動車ではサプライチェーンの最適化でもデータ分析が重要です。コロナ禍で予測が難しい中、改めて分析に力を入れ最適化するための取り組みが始まっています。

―― パブリッククラウドベンダーもデータ活用のためのプラットフォームには力を入れています。Teradata Vantageにはどのような優位性があるのでしょうか。

バッジ氏:製品の機能、性能の観点から、Teradataでは多様なデータソースを扱え、その上で複雑な検索を迅速に実行できることがあります。これは他のクラウドのプラットフォームでは難しい。大規模なデータを高速に処理できる技術は、長年に亘りオンプレミスで培ってきたものがあり、クラウド生まれの検索エンジンではできないことがTeradataではできるのです。

 また既存の顧客にとっては、データ活用のためにかなりの投資をオンプレミスでしており、その投資を無駄にせず短期間でクラウド移行して使えるメリットがあります。結果的に安価にクラウド上でデータ活用のプラットフォームを構築できるのです。Vantageならリフト&ドロップくらい簡単に既存の環境を生かせます。さらにBIツールなどサードパーティーのソリューションも、そのままクラウドで利用できます。

 顧客によっては、規制やセキュリティの要件から、一部のアナリティクス環境をオンプレミスに残すケースもあります。それに対応するために、ハイブリッド構成でデータ活用プラットフォームを構成できるのも強みです。ハイブリッドでも、Vantageならシームレスにデータを扱えます。

―― これまでのところTeradataのビジネスが順調にクラウドに移行しているとはいえ、まだまだ足りないところ、これから強化すべきだところがあるのではないでしょうか。

バッジ氏:リフト&シフトでクラウドに持っていくアプローチは、クラウド化の始まりにすぎません。今後はアーキテクチャをさらに変革して、オンプレミスでは難しかったことをクラウドで実現していく必要があります。その部分はより強化しなければなりません。Teradataの製品や機能はもちろん、サードパーティーツールなども併せて、モダンクラウドアーキテクチャにしていかなければなりません。

―― 新型コロナウイルスのビジネスへの影響はどのように捉えていますか。

バッジ氏:世界のビジネス環境は、コロナ禍でかなり厳しいものがあります。その中にあってもTeradataの今年の業績は比較的順調です。顧客の中には運輸やホスピタリティ業界など大きく新型コロナウイルスの影響を受け厳しい状況にある企業もあります。しかしそれ以外の業界では、アナリティクスとデータ活用への投資はむしろ加速しています。コロナのような大きな変化に対しリスク管理をするためにもデータ分析は必須です。デジタル化が進んでおり、その中で顧客体験を向上するのにもデータは重要なのです。

 また政府系もアナリティクスに投資しており、国民へのサービスにデータを活用するようになっています。新型コロナウイルスの影響はマイナス面もあればプラス面もあり、一部はかなり加速しています。Teradataとしては当初不安もありましたが、今年の成績は満足行くものとなっています。


著者プロフィール

  • 谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

    EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーター かつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリストとして、クラウド、データベース、ビッグデータ活用などをキーワードに、エンタープライズIT関連の取材、執筆を行っている。

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