TBMを改めて振り返る
TBMのメソドロジーは5つの構成要素としてTBMフレームワーク、TBMタクソノミー、TBMモデル、TBMメトリクス、TBMシステムがあります。
TBMフレームワークはIT部門マネジメントに向けたフレームワークとなりますが、IT部門の2つの役割、行なうべき4つの規律、採用すべき4つの指標が定義されています。5つの構成要素とTBMフレームワークの関係性をよりわかりやすく説明しましょう。
まずIT部門が一番はじめに行なうべきことは、4つの規律のうちのCreating Transparency(可視化)になります。可視化についてよくある問題は「可視化した後に何をすれば良いかがわからない」という問題です。
TBMフレームワークでの可視化の特徴は、IT部門が行なうべき残りの規律である、Plan and Govern(IT予算と統制)、Deliver Value for Money(コスト低減とコスト妥当性の説明)、Shape Business Demand(ユーザー部門との関係性改善)のアクションのために最適化された、可視化モデルであるという点です。この可視化を標準化したモデルをTBMタクソノミーという形で定義しています。
TBMタクソノミーを構築するためには、ITコストに関わる財務会計データ、プロジェクトのデータ、インフラストラクチャーのデータ、アプリケーションのデータ、ユーザー部門の利用状況のデータを取り入れ、「分類と配賦」を行ない、TBMモデルを構築します。この「分類と配賦」のロジックをTBMモデルと定義をしております。
TBMモデルを構築した後に指標を用いながらアクションをとり、IT部門としてRun-the-Business(既存システム運用)の削減とChange-the-Business(新規システム開発)の最適化を行ないます。この時に採用すべき指標をTBMメトリクスと定義しております。
ここまで、TBMのメソドロジー全体について改めておさらいをしました。
前回では、Run-the-Businessの削減を行なうためにCost for Performanceによる管理とポートフォリオ管理について紹介しましたが、ここから今回の主題であるChange-the-Businessについて紹介します。