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日本のDX、難しく考えすぎでは? LayerX代表 福島氏が語るDX推進の処方箋


 次の10年に向けての一手——。ニュースアプリGunosy創業者の福島良典氏がGunosyの経営を離れ、LayerXを立ち上げたのが2018年8月。インターネットに匹敵する革命と呼ばれるブロックチェーンの可能性を見据えた決断が話題となった。それからもうすぐ3年。ブロックチェーン関連だけでなく、DX関連の自社プロダクトの展開も始めた福島氏は今何を見ているのか。近況を聞いた。

驚きの発表から3年 大胆な方針転換

——LayerXの創業からもうすぐ3年となります。2018年7月のFacebookへのポストでGunosyの経営は任せ、福島さんご自身はLayerXに専念するという発表に驚いたことをよく覚えています。これまでをどう捉えていますか?

LayerX 代表取締役CEO 福島良典氏
LayerX 代表取締役CEO 福島良典氏

福島良典氏(以下、福島氏):会社方針が劇的に変化しました。設立当初はキャッシュがない中で人員も抱えていたので、クライアントビジネスでしっかりと稼ぎながらやっていこうと考えてました。ある一定の利益を出せる段階まではいきましたが、正直あまりスケールするような長期継続性のあるビジネスになりませんでした。

 そんな中で2020年5月に30億の資金調達ができました。[※1]それを契機に自社プロダクト開発の方針に切り替え、2020年の夏ぐらいから自社プロダクトを仕込みはじめ、2021年には経理向けのDXサービスである請求書AIクラウド「LayerX インボイス」の提供を開始しました。[※2]今は自社プロダクト開発に振り切っています。

 もう一つは創業以来仕込んでいた、ブロックチェーンを含むデジタル技術を活用した金融事業も目処が立ってきました。具体的には当社、三井物産株式会社、SMBC日興証券、三井住友信託銀行と合同で設立した三井物産デジタル・アセットマネジメントの展開です。[※3]

——福島さんというと、テクノロジー×メディアで展開するBtoC事業のイメージが強いですが、LayerXのビジネスはBtoBですよね。共通点もしくは違いを感じますか?

福島氏:もちろん違いはあります。一方で意外かもしれないですが、プロダクトをユーザーにぶつけながら、改善していく点はBtoCもBtoBも変わらない感覚です。

 ただ「ターゲット数」がBtoCとBtoBだと全然違いますよね。BtoCの方が数字や統計を元に意思決定してしまいがちで、BtoBの方がより定性的、肌ざわりがある感覚という印象です。データだけを見て意思決定をするというよりは、実際に使っているシーンを横で見て「ああ、ここがボトルネックになっているのか」と把握して改善を続けていくイメージです。

——どちらが面白いと思いますか。

福島氏:どちらも面白いですよ。結局どちらのビジネスでも定性・定量ともに大切ですが、最初のニーズの見つけ方、ターゲットの捉え方は定性的なんですけど、アプローチが正しいかどうかは、定量的に見ていく、そうした姿勢を常に試みています。

 ヒューマン&テクノロジーが前提の中、BtoBはプロセスを因数分解していくと、テクノロジーが介在できる余地が非常に大きく、解決できることがたくさんあると捉えています。

[※1]大企業・行政機関等のデジタル化を推進するLayerX 30億円を資金調達

[※2]LayerX、経理DXを加速する請求書AIクラウド 「LayerX インボイス」を提供開始

[※3]LayerXが三井物産、SMBC日興証券、三井住友信託銀行と合同で新会社を設立

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改めて、ブロックチェーンとは何がすごいのか

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長1978年生まれ。立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア...

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