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富士通 柴崎辰彦の「一番わかりやすいDX講義」

現場やスタッフ部門のDXの理解を促すために〜デジタル変革を産業革命から考える

【DXチャレンジ編】第4回

 富士通で初めてのデジタル部門の創設やサービス開発に取り組んで来た著者の実践に基づくDX連載の第四回。著者は、富士通 デジタルビジネス推進室エグゼクティブディレクターの柴崎辰彦氏。シリーズの第一部となる「DXチャレンジ編」では、「なぜデジタル変革なのか?」その勘所をデジタル推進部門やIT部門のみならず、経営者やリーダーも含めた企業の全社員に向けて実践経験を踏まえて紹介します。

デジタル変革(DX)は全社で取り組む活動

 最近のトレンドとして、デジタル部門やIT部門に加えて、これまではITとは無縁だった部門の方々、いわゆる非IT部門の方々にもデジタル変革(DX)について説明して欲しいと言うニーズが急拡大しています。よくあるケースは、"デジタルビジネスやデジタル変革など、IT絡みのことは情報システムにお任せ"とか、"デジタルビジネスは、DX推進部門を立ち上げたので任せておこう"といった形で推進を担う部門やその室長が孤立無縁に陥るケースです。

 数年前にシリコンバレーを訪問した際、あるドイツに本社を置くグローバル企業の「出島」で見た光景は衝撃的でした。ポストイットをホワイトボードにペタペタと貼りつけながら何やらデザイン思考的な打合せをしていたのですが、現地の人に「柴崎さん、彼らは何をしていると思いますか?」と、尋ねられました。「新たな顧客向けサービスなどの企画をしているのですか?」と答えたのですが、彼はニタリと笑いながら「実は、あそこで打合せしているメンバーはスタッフ部門(経理や人事)だ」というのです。その企業では、経理や人事もデザイン思考をツールとして用いているのです。なぜなら、彼らにとって従業員は「顧客」なので、顧客視点で製品やサービスを作るデザイン思考によって、仕掛け・仕組みを議論していると言うのです。

 自社も含め、日本企業でDX、即ちデジタル変革が進まない理由にこのようなスタッフ部門が、"DX? わが社はもちろん取り組まなければならないが、それはIT部門人たちが進めること"と決め込んで当事者意識が全くないケースが非常に多いことがあげられます。

 最近、現場部門やスタッフ部門の方々とDXを議論する時に、一つの処方箋として有効なことは、DXが誰もが知っている世の中の大きなトレンドの一局面だと説明をすると理解をしてもらいやすいと言う事です。具体的には、中学や高校の歴史で習った産業革命の流れの"いま”が、デジタル変革(DX)だと説明すると腹落ちしてくれるケースが多いという事です。
 今回この連載では、この産業革命の歴史とデジタル変革(DX)について一緒に考えてみたいと思います。

産業革命の歴史

 現在のデジタル変革は第三次産業革命における情報技術(IT)による変革を踏まえた第四次産業革命の流れの延長線上に位置づけられると言われています。

 第一次産業革命は、18~19世紀初頭における蒸気機関、紡績機など、初期の軽工業の機械化中心の時代でした。第二次産業革命は、19世紀後半ごろの石油・電力による重化学工業への移行後の時代でした。第三次産業革命は、20世紀後半のインターネットの出現とICTの急速な普及により、デジタル化の世界が開き、IT・コンピュータ・産業用ロボットによる生産の自動化・効率化が進展した時代を指します。

図1.産業革命の歴史[クリックして拡大]

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ダボス会議で語られた第四次産業革命

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この記事の著者

柴崎 辰彦(シバサキタツヒコ)

香川大学客員教授 富士通株式会社にてネットワーク、マーケティング、システムエンジニア、コンサル等、様々な部門にて“社線変更”を経験。富士通で初めてのデジタル部門の創設やサービス開発に取り組む。CRMビジネスの経験を踏まえ、サービスサイエンスの研究と検証を実践中。コミュニケーション創発サイト「あしたの...

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