厳しい経営環境の中、IT投資が抑制される一方で、企業はITシステムの運用コスト削減と効率向上に繋がる投資に厳選しなければならない。そのようなコスト削減への期待から国内運用管理ソフトウェア市場はプラス成長するとの予測もある。また、今後はクラウドや仮想化など新たなIT技術がますます浸透していくだろう。最新のJP1 Version 9は、このクラウド時代到来に向け、大規模化・複雑化したシステムに対応する効率的な運用管理を実現する。
サーバー集約により大規模化・複雑化する企業システム
IT投資の最適化が求められる状況を受け、企業は今後のシステム運用管理をどのように捉えればいいのだろうか。
まず考えられるのは、システム形態の多様化の促進だ。たとえば、クラウドサービスを選択し、システムの所有から利用へ変化することでコストメリットを出そうとする動きが予測できる。
企業システムのすべてがパブリッククラウドに移行するわけではないが、部分的な利用、さらにはプライベートクラウドと呼ばれる自社内、あるいは企業グループ内でクラウドを活用する動きも出てくるであろう。そうなれば、企業には既存の物理システムとパブリック、プライベート双方のクラウドサービスが混在し、企業のシステム形態は確実に多様化するであろう。
また、個別最適化されてきたシステム群を集約して、コスト削減を図る動きも活発化しそうだ。サーバーを集約すれば、システムを横断したリソースの有効活用も期待される。それらを実現するシステムはかなり大規模化し、1つの物理システムで処理する業務量も大きく増える可能性がある。
これらの実現には、仮想化技術が積極的に採用されるであろう。それにより、集約とリソースの有効活用は得られるが、仮想化層がシステムインフラに加わることとなり、システム環境は複雑化する懸念もある。そのため、仮想化に対応する複雑で高度な運用業務を効率的に実施する機能が求められる。