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IT部門は「アプリケーションモダナイゼーション」をどう理解すべき? VMware渡辺隆氏に尋ねる 「アプリケーションとインフラ」両面からのアプローチが重要

edited by DB Online   2022/02/02 10:00

 テレビなどでも取りあげられるようになり「DX」という言葉の認知はかなり広がった。しかし、その解釈は企業や人により様々だ。DXのためにまずはビジネスのデジタル化を進め、その先で何か新しいビジネスを生み出そうとするケースもあれば、大量のデータを分析、AIや機械学習などの技術を活用することで新しい知見を得て、ビジネスに変革をもたらす場合もある。また、置かれた状況や目指す変革の姿は企業で違うため、それぞれの企業に最適なDXアプローチも異なる。様々なDXのアプローチがある中、多くの企業が直面している課題として、レガシーシステムが足枷になりDXが進められないことが挙げられる。そのためレガシーシステムをモダナイズすることで、DXを実践しやすくすることが急がれているのだ。

アプリケーションとインフラの両面からモダナイズする

 レガシーシステムのモダナイゼーションとは、一体何を実現することを指しているのか。たとえば、COBOLで書かれていたメインフレームのアプリケーションをJavaなどで書き換える、またはオンプレミスのシステムをクラウドにリフト&シフトすることもモダナイゼーションと定義できる。

 多くの人がイメージするモダナイゼーションは、クラウドネイティブな世界でコンテナ技術を活用し、DevOpsに則りながら運用することで、開発をアジャイルに、アーキテクチャはマイクロサービス化するようなものではないだろうか。そして、インフラはクラウドやKubernetesなどを活用して自動拡張できるようにし、コンテナプラットフォームで自動回復性を持てるようにする。このとき重要なのは、「アプリケーションとインフラの双方を近代化することです」と指摘するのは、ヴイエムウェア株式会社 マーケティング本部 チーフストラテジストの渡辺隆氏だ。

ヴイエムウェア株式会社 マーケティング本部 チーフストラテジスト 渡辺隆氏
ヴイエムウェア株式会社 マーケティング本部
チーフストラテジスト 渡辺隆氏

 DXに向けたアプリケーションのモダナイズでは、開発手法を変革。その上でそれを実践できる開発チームも作る必要がある。その際には、開発チームの文化から変えなければならない。そこで、一連のアジャイルな開発手法の導入から、それを実践するチーム作り、さらにはチームの文化の改革に至るまでをVMwareでは「Tanzu Labs」のサービスなどでサポートしている。

多様なサービスとプラットフォームから構成される「VMware Tanzu」ポートフォリオ
多様なサービスとプラットフォームから構成される「VMware Tanzu」ポートフォリオ

 その上で同社では、アジャイルで効率的にアプリケーションを開発するための「Spring」フレームワークも長きにわたり提供。これらの活用で構築されるアプリケーションのアーキテクチャは、マイクロサービスになる。

 特にインフラのモダナイズに関しては、コンテナ技術を使いKubernetesなどのコンテナプラットフォームを活用。コンテナプラットフォームについては、「Platform as a Product」(製品としてのプラットフォーム)のコンセプトをVMwareでは掲げており「一般的なインフラの提供では基盤を作ったらそれで終わりというケースもありますが、『顧客』である開発チームのニーズに合わせてプラットフォームの機能を進化させていくという考え方をお客様にご提案しています」と渡辺氏は言う。

 Platform as a Productのインフラを構築し運用するため、プラットフォームチームの組織化やスキル育成もTanzu Labsではサポートする。このチームが、アジャイルな体制でインフラも継続的に進化させるという。このようにアプリケーションとインフラの両方の側面で、VMwareの考えるモダンアプリケーションは成り立っている

 既にグローバルではTanzu Labsのサービスを利用し、モダンアプリケーションのアプローチでDXを実践している企業が多数あるという。日本でも東京証券取引所のETF(上場投資信託)電子取引のアプリケーション開発環境を短期間でアジャイル化し、アプリケーション開発の迅速化を図っている。

インフラとアプリケーション両面からのモダナイズが鍵に
インフラとアプリケーション両面からのモダナイズが鍵に

 他にも、JR東日本(東日本旅客鉄道)の"Mobility as a Service"アプリケーション開発も、Tanzu Labsがサポート。また、Yahoo! JAPAN(ヤフー)では、開発のアジャイル化とインフラのモダナイズの両面でTanzu Labsを活用している。

 さらに、SI企業の日立ソリューションズとは、同社の顧客との協創で進めている「新しいSIサービス」において、Tanzuプラットフォームに顧客企業が開発するアプリケーションを載せるような形での協業も始まっているという。


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著者プロフィール

  • 谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

    EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーター かつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリストとして、クラウド、データベース、ビッグデータ活用などをキーワードに、エンタープライズIT関連の取材、執筆を行っている。

  • 岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)

    メディア部門 メディア編集部 EnterpriseZine編集を担当

  • 関口 達朗(セキグチ タツロウ)

    フリーカメラマン 1985年生まれ。 東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。大学卒業後、小学館スクウェア写真事業部入社。契約満期後、朝日新聞出版写真部にて 政治家、アーティストなどのポートレートを中心に、物イメージカットなどジャンルを問わず撮影。現在自然を愛するフリーカメラマンとして活動中。

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