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北川裕康のエンタープライズIT意見帳

AI、バイオ、暗号技術、「ABC」テクノロジーの普及に備えよう

 Microsoft社に勤めているとき、Googleが急成長していました。裏ではなんらかの対策をしていたのかもしれませんが、年次社内ミーティングで、当時のCEOのスティーブ・バルマーは、「あんなのは敵ではない」と無視を決め込んでいるような発言をしていました。Netscapeが出てきたときも、当初は同じような反応でしたが、危機度合を測りながら、実はしっかりと対応していたのです。このような対策ができるかは別にして、新しいテクノロジーの企業が登場した時には、しっかりした分析と対策が必要だと思います。そうしないと、市場を奪われてしまいます。新興企業が急成長して資金が豊富になると、製品ポートフォリオを拡大して、本当の敵になるのです。

イノベーションの普及とS字カーブ

 一方、いくら新しい技術が出てきても、やはり普及には時間が掛かります。よくスマートフォンの普及スピードは、固定電話の普及に比較して格段に短いということが紹介されます。今では、すっかりスマートフォンは浸透しましたが、iPhoneが登場して、もう15年経つのです。つまり、イノベーションの普及には、S字カーブがあるということです。S字カーブは、技術の浸透を、時間軸でグラフ化したときに、右に傾いたSの時になることから、その名前がきています。新しいイノベーションは、最初はゆっくりと浸透して、急速に普及して、そして、踊り場に来て、ゆったりと普及する。幅は短くなっているのですが、やはりそのSを辿ります。同じような考え方に、ジェフリー・ムーア氏の「キャズム理論」があります。企業は、複数の製品でタイミングをすらしてS字カーブを作っていき、常に成長することが求められる。その意味で、Microsoft Officeは、改良や改善で、複数のS字カーブを同一製品で作っている、稀な例です。

 では、今後、どのような技術が、イノベーションを牽引するのでしょうか。1つのヒントがあります。Webブラウザ「NCSA Mosaic」を開発した、現在は有名な投資家であるマーク・アンドリーセン氏が、「Find the smartest technologist in the company and make them CEO」(Mckinsey & Company)のインタビューで、注目する技術は“ABC”と述べています。Aは、AI(人工知能)、BはBioTech(バイオテクノロジー)、CはCrypto(暗号技術)の略です。

 そのインタビューでは、アンドリーセン氏はABCを次のように述べています(筆者翻訳)。

 AIでは、ディープラーニング、機械学習、オープンAIによる新しい画像生成の「GPT-3」(Generative Pre-trained Transformer 3)、「DALL·E」など素晴らしい技術があります。バイオテクノロジーは、ゲノミクス、そして今はmRNA革命と、生物学と工学の分野を融合させる革命が起きています。これは大きな山です。3つ目のCは暗号とWeb3です。分散型コンセンサス、インターネット上の信頼できるネットワークの構築、そしてそこから派生するすべてのものにまつわる革命です。

引用元:Mckinsey & Company「Find the smartest technologist in the company and make them CEO」(英語)

 なお、OpenAI は、イーロン・マスク氏などの参加する人工知能を研究する非営利団体で、GPT-3やDALL・EはOpenAIが開発した言語モデルです。mRNAとは、メッセンジャーRNAは、遺伝子であるDNAから写し取った遺伝情報を担う分子だそうです。

 なぜアンドリーセン氏がこのABCに注目するかというと、世界のトップクラスのエンジニア、科学者、経営者が、この3つの分野に押し寄せているからだそうです。英知が結集している最中ということでしょうか。もちろん、そのような将来の金の成る木には、マーク・アンドリーセン氏のような投資家かも群がり、資金が集まり、それでさらに技術が磨かれる研究が進みます。

次のページ
普及するABCテクノロジー

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北川裕康(キタガワヒロヤス)

クラウドERPベンダーのインフォア(Infor)のマーケティング本部長。33年以上にわたりB2BのITビジネスにかかわり、マイクロソフト、シスコシステムズ、SAS Institute、Workdayなどのグローバル企業で、マーケティング、戦略&オペレーションを担当。その以前は富士通とDECでソフトウ...

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