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成田悠輔氏が展望する22世紀のDX すべてがデータ化した社会実現の前に立ちはだかる壁

DXを超えて 〜すべてがデータになる世界~

仏教哲学でわかる22世紀の社会の姿

 日本社会の現状を考えると気持ちが沈むところだが、成田氏はDX22でどんな社会変革が実現するかについて解説を続けた。DXの過去と未来を大きな視点から展望する上で、とても重要な概念が仏教の「八識」である。これは人間の意識や認知のプロセスを「1. 眼識」「2. 耳識」「3. 鼻識」「4. 舌識」「5. 身識」「6. 意識」「7. 末那 (まな) 識」「8. ・阿頼耶 (あらや) 識」に整理したもので、8つの心理を意味する。

 この内、1番から5番は五感として知られるものだ。続く6番の意識は、知性や合理性、あるいは思考力に相当するもの。7番の末那識は、意識の裏側にある感情のことで、エゴ、プライド、あるいは承認欲求のようなある種の非合理的な心のあり様を示している。最後の阿頼耶識は、個人の存在を超越した根本にある無意識レベルでもっているような深い識を意味する。

 この「八識」は、私たちの社会の中でDXがどれだけ進展したかの理解に役立つという。眼識や耳識など、それぞれがどのように関連しているか。成田氏は講演でわかりやすく説明している。この詳細についても「Ignite 22 Japan」本編で確認していただければと思う。

 そして我々を待ち受ける未来には、人間の身体や精神がインターネットにつながる未来も見えてくる。「人間の身体のインターネット化は実現しつつある」と成田氏は指摘する。周辺を見渡しただけでもスマートウォッチを着けている人が増えてきており、それが測定しているデータの代表例が心拍数だ。心拍数のパターンから深刻な予兆を検知し、病院に行くことを勧められてその指示に従った結果、命をとりとめた人のニュースは記憶に新しい。

 となると、その先の精神や脳のインターネット化が見えてくる。実際、脳にデバイスを埋め込み、AIにうつ状態に特有のパターンを学習させ、うつ状態の兆候が検知された患者に電気刺激を加える治療を実施したところ、良好な状態に転じたとする報告もあるという。

 もっと先の未来では、デバイスを埋め込んだ人間の脳と脳がインターネットを介してつながる。そうなると、地球上の人間の精神がインターネットを介して一つの存在になる未来すら夢物語ではなくなる。NFTを使えば、データの由来や所有者を明確にもできる。世界が生み出すあらゆる断片が市場経済や経済取引に取り込まれる社会が到来するのかもしれない。それがDX22で実現する可能性のある未来である。

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一部では実現しているDX21

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冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

 IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...

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