思考を止めずに可視化・共有できる
──「Miro」のユーザーが急速に増えていると伺いました。その理由や魅力をご紹介いただけますか。
五⼗嵐光喜氏(以下、五十嵐):Miroは一般的には「オンラインホワイトボード」と思われているようですが、私たちは、チームがともに働くための「ビジュアルコラボレーションプラットフォーム」と位置付けています。
オンライン上の無限に広がるキャンバスに、テキストはもちろん、ビジュアル要素や映像など様々なものを配置し、付箋を貼ったり、メモを書き込んだりできる。ここまではホワイトボード機能ですが、さらに、Microsoft 365のWord/Excel/PowerPoint、Google Workspace、タスク管理ツールであるJIRAやAsanaなど、様々なツールと連携して、タスク管理やアイデアの共有などができるコラボレーションツールでもあります。様々な異なる種類のデータを1つの場所で扱えることを「マッシュアップ」といいますが、まさにその状態。人々が時間や空間、使っている端末の壁を越えて、同期・非同期で共創できる環境を提供しています。
溝⼝宗太郎氏(以下、溝⼝):たとえば、ブレインストーミングやディスカッションをする際には、付箋を使ってアイデアを出し、分類・整理して、さらにタスクにまで落とし込んでいきますよね。Miroは、アイデア出しだけでなく、「カンバンテンプレート」で誰が/いつ/何をするかまで業務フローに落とし込み、それを管理するところまでを一気通貫で行うことができます。さらに細かい権限設定もできるようになっており、社内だけでなく、他部門や社外の方々と共創できるようになっています。
──なるほど。コロナ禍もあり、社内はもちろん、社外でもリアルなコミュニケーションが難しくなる中で、オンラインという手法は重要度が高まっていますね。
五十嵐:まさにその通りで、なかなか1つのところに人が集まりにくい状況にあり、コラボレーションツールが注目されているのはそのためとも言えます。しかし、感染者数が減少傾向にある今(2022年10月取材当時)でも、リモートワークやオンライン会議が当たり前になったように、Miroについてもビジネスツールとして“浸透した感”があります。
たとえば、直近ではウェビナーや、顧客コミュニケーションの一環としてプレゼンテーションや要件定義にも使われることが増えているのです。ウェビナーやプレゼンテーションといえば、PowerPointやGoogleスライドなどが一般的ですが、ページ単位で画面が遷移する方法では、コンテンツの広がりや関係性などがわかりにくいことがあります。Miroなら全体を俯瞰することも、詳細を寄って見ることも可能です。その意味でも、思考を分断させずにプレゼンテーションや議論がかなうわけです。