あの手この手で少しずつ前進──セブン銀行×パナソニックの現場リーダーが語る、データドリブン文化の醸成
両リーダーを突き動かす原動力とは? DXルポライター酒井氏が迫る

データドリブン企業への変革を進めるには、社内に文化を根付かせる“現場リーダー”の存在が欠かせない。そこで変革を下支えする2人のリーダー、セブン銀行の西嵜靖子氏、パナソニック インフォメーションシステムズの黄地綾子氏の異業種企業の対談を通じて、各社の改革における現在地や成功例をうかがい、それぞれに抱える課題について考える。ファシリテーターは日本企業のDXを追った『ルポ 日本のDX最前線』の著者でノンフィクションライターの酒井真弓氏が担当した。
それぞれのデータ活用の“現在地”
金融業と製造業と異業種ながら、データ活用への様々な挑戦がなされていることで知られる2社。その中で、西嵜氏、黄地氏はそれぞれ現場リーダーとして、データ活用の取り組みを推進してきた。
まずセブン銀行の西嵜氏は、もともとセブン‐イレブンの本部で店舗システムの企画・開発に従事後、セブン銀行に移り、ATM運営に関する基幹システムの企画・開発等に携わったのち一時退職。数年のブランクを経て、2021年よりセブン銀行に復職。AI・データ活用チームにてCXプロジェクトに参画し、2022年4月にDMO(Data Management Office)を立ち上げた。
現在は試行錯誤しながら、全社のデータ活用の推進やカルチャーづくりに取り組んでいるという。なお、セブン銀行ではATMサービスの他、銀行取引に加え株取引もできるスマホアプリといったユニークな金融サービスも実施しており、顔認証を活用した新型ATM「ATM+」などでも注目を集めた。西嵜氏は「現金プラットフォームから次のステージを目指して変革を遂げつつある」と紹介した。

セブン銀行 コーポレート・トランスフォーメーション部
AI・データ推進グループ DMO(Data Management Office) 調査役
西嵜靖子氏
そしてもう1人、黄地氏はパナソニックの前身、松下電器産業の情報システム部門に入社し、現在はパナソニック インフォメーションシステムズでマーケティングや経営管理関連のデータ分析業務に従事している。同社はパナソニックグループ内の様々な事業会社や部門のIT戦略を支援しているため、カバー領域が広く、そのノウハウをもとにBtoBで外販も行っているという。
黄地氏は、所属するデータアナリティクスソリューション本部について、「あらゆるビジネス現場において“当たり前に”データ分析活用がなされることを目指して作られた。『データを価値に変えることに挑戦し続けるユーザー』に寄り添い、ともに成果を追求するという形で業務を遂行している」と紹介した。

この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
伊藤真美(イトウ マミ)
フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ビジネスやIT系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア