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Data Tech 2022 レポート

『変わることが楽しい』をどう作り出すか。データドリブンを目指すカシオが導き出した「人づくり」の解

「ユーザー中心のバリューチェーン」に向けて取り組む、3つの実例

 世界初の小型純電気式計算機に始まり、時代のニーズに応える様々な製品を世に送り出してきた「カシオ計算機(以下、カシオ)」。社会情勢や市場環境が激変する中でも、持続可能な企業として存続するために、データドリブンな事業体制への変革を目指している。同社は2021年に全社のDXを統合・推進するデジタル統轄部を新設。その責任者を務める同社執行役員 デジタル統轄部長の石附洋徳氏が、データ活用に欠かせない仕組みや組織の変革について、実例を用いて解説した。

目指すDXは「ユーザー中心のバリューチェーン」

 2022年で創業66年目を迎えるカシオ。「創造 貢献」という社是のもと、創造的な製品による社会貢献を事業活動の目標としてきた。しかし近年、デジタル社会の情報過多の中で、選択・購入および愛着をもって使い続けることにおいても、適切な情報の提供が困難になりつつある。そうした状況下で、カシオではこれまで大切にしてきた「優れたモノづくり」の価値を維持しながら、製品が顧客の手に渡った後も一人ひとりにとって優れた体験を提供し続けられる企業に変革しようとしている。

 目標に向け、課題となっているのが「バリューチェーン」の分断だという。従来カシオのバリューチェーンは一般的なメーカーに即しており、開発・生産・営業・マーケティング・販売と、何かあればカスタマーサービス(CS)が対応するという流れになっていた。そのため直接ユーザーとつながっておらず、ニーズや要望に即座に応えられない状況にあった。

 そこで、こうした「フロー型のバリューチェーン」から、開発も生産、営業、CSもすべて直接ユーザーとつながる、「ユーザー中心のバリューチェーン」に変革することを目指しているという。それがかなえば、開発段階でユーザーデータから「ユーザーが求めるもの」を察知して製品化や改善を行ったり、生産場面でもユーザーの思いや潜在的ニーズを捉えつつ計画や調達を行ったり、柔軟に製造を行うことができる。

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 また、営業面でもダイレクトコンシューマーなどを通じて、ユーザーに最適な価値を提案しながら直接製品やサービスを提供できるようになり、購入後もユーザーに満足のいく“おもてなし”が提供可能だ。バリューチェーンのどの場面でも、ユーザーとダイレクトにつながって価値を提供し続ける──そうした状況を目指している。

 これを実現するには、データの活用が不可欠だ。石附氏は「製品を届けて終わりなら、いい製品を作るだけでいい。しかし“優れた体験を提供し続ける”ためには、常にユーザーとつながり続ける必要があり、得られるデータから顧客体験にフィードバックするループを作る必要がある」と語り、「このトランスフォーメーションを実現するには、データドリブンが必須」と力を込めた。

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カシオ計算機 執行役員 デジタル統轄部長 石附洋徳氏

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カシオ流データドリブン企業への道:3つの実例

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この記事の著者

伊藤真美(イトウ マミ)

フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ビジネスやIT系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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