情報処理推進機構(以下、IPA)は、昨年12月28日に「サイバーレスキュー隊(以下、J-CRAT)活動状況 2022年度上半期」を公開した。
レポートでは2022年上半期において、ロシアによるウクライナ侵略やペロシ米国下院議長の台湾訪問など、国内外情勢にて影響の大きい事象が突発してきた状況下で、日本に対する国家支援型と推定されるサイバー活動が継続的に発生したことを指摘。
数年単位で継続している攻撃もあり、このような長期にわたる持続的な脅威の継続(APT)の背後には、国家による関与または国家による何らかの支援があるものと疑われるという。
国家の関与が疑われるサイバー攻撃によるリスクがグローバルレベルで顕在化している状況を踏まえ、日本においても、サイバーセキュリティ能力の向上と人材育成を、価値観を共有する同盟国・有志国とともに進めていく必要があるとレポートでは述べられている。
特に、日本のNATO CCDCOEへの正式参加やCCDCOE主催のサイバー防衛演習Locked Shieldsへの官民での継続参加がその一環と言えるとした上で、引き続きこのような取り組みが推進されることを期待しているとのことだ。
またJ-CRATとしては、国家支援型と推測されるサイバーエスピオナージへの対応に加え、その関連領域としての認知領域作戦、国家放任型と推測されるサイバークライム活動や有事を中心としたハクティビストの概況を含めた幅広い脅威情報の収集および情報提供などの活動を引き続き推進する。その上で、国家レベルでのサイバー領域における状況把握(サイバードメインアウェアネス)を高めることに努めていくとしている。
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