グーグル、アマゾンの課題はクラウドの法令遵守
2008年10月、米国グーグルの書籍検索サービスをめぐって、米作家協会や米国出版社協会が提起していた集団代表訴訟が和解したことが報道された。
和解案では、グーグル社が著作権保護機関の設立費用や著作権者への補償金を支払う代わりに、絶版書籍のデータベース化を継続し、データベースアクセス権の販売、広告掲載などの権利を取得すること、対象書籍に関する収益を著作権者に分配することなどが決められた。
集団代表訴訟では、和解案の効力が米国内の全著作権者に及ぶこと、文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約の加盟国の著作権者にも及ぶことから、日本の著作権者団体の対応について注目が集まった。さらに、米国司法省が、和解について独占禁止法違反関連で正式な調査を開始したことが明らかになり、大きな関心を呼んでいる。
また、2009年7月上旬、アマゾンの関連会社であるアマゾン・ドットコム・インターナショナル・セールス(本部・米国シアトル)において、日本国内での事業をめぐり、東京国税局より1億1,900万ドルの追徴課税を受けていたことが、新聞各紙で報道された。
アマゾン・ドットコム・インターナショナル・セールスは、日本における販売業務をアマゾン ジャパン、物流業務をアマゾン ジャパン・ロジスティクスに委託しており、会社自体の中枢機能は米国側に集中させて、顧客への販売代金を米国側が受け取り、米国内で納税していたという。
国税当局は、アマゾン ジャパン・ロジスティクスの物流センターが日米租税条約上の「恒久的施設」に該当すると指摘したが、アマゾン側はこれを不服として、日米間の二国間協議を申請している。