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「ピュアゼロトラスト」が徐々に浸透か、製造業を中心にIoTやOTなどオンプレにも適用広がる

 2月2日、Zscaler(ゼットスケーラー)は、グローバルレポート『2023年版 ゼロトラストトランスフォーメンションの現状』に関する記者説明会を開催した。

 同社マーケティング本部長 近藤雅樹氏は、「ゼロトラストがバズワード化しており、現状がどうなっているのかを調査した」と同レポートのサマリーの説明をはじめた。同レポートは、日本企業100社を含む1,908名の意思決定者を対象に調査されたものだという。

 全世界のITリーダーの88%がクラウドへの移行を最大限に活用していると回答する一方で、クラウドインフラの可能性を最大限に活用できていない現状があるとの結果に。その障壁としてデータプライバシーやデータ保護、従来のネットワークセキュリティが足かせになっていたり、IoTとOTシステムへのサードパーティーアクセスやリモートアクセスが難しかったりする点が挙げられた。

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 また、ゼロトラストに取り組んでいるとの回答が日本で94%を超える一方で、導入済みは23%に留まっている。実装の理由としては、高度な脅威への備えはもちろんベンダーやパートナー、運用技術のリモートアクセス保護を挙げている点においてグローバルと差異が見られたという。近藤氏は、「従来型のネットワークとセキュリティインフラが障壁になっている中で、VPNではなく『ゼロトラストネットワーク』の方が優れていると認識されている方が多くあります。コロナ禍でリモートワークが主体となってからアプリケーションのパフォーマンスに影響をきたすなど、どこでどのようにトラブルが起こっているのかが見えないというお客様の声もいただきます」と述べる。

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 加えて、インターネットアクセスだけでなくOTシステムやオンプレ、クラウド内のアプリケーションにも対応していく必要があると指摘。デジタルツインなどの新興技術に対するセキュリティ懸念も高く、現状では不安なためにゼロトラストを導入することを考えているユーザーも少なくないという。特に日本では、セキュアなだけでなく低遅延かつハイパフォーマンス性が求められており、同レポート内でもグローバル62%と比べて77%が重要視している。

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 次に、日本市場に焦点を当てた話として同社エバンジェリスト&アーキテクト 髙岡隆佳氏は、「ここ2、3年で120件程のお客様をお手伝いする中、バズワードとしてのゼロトラストを検討してしまうお客様も多かった中で、そもそものアーキテクチャの話やゼロトラストで何がしたいのかを明確化してきました」と切り出した。VPNをともわないアクセスなどをゼロトラストとして求めているユーザーが多い中で、“オンプレ回帰”が進んでいく現況を鑑みると新しい課題が出てきていると指摘。特に製造業を中心にオンプレミスを含めてゼロトラストしていくモチベーションが働いているという。

 また、閉域網を取り払うという話も多く上がる一方で、「ピュアゼロトラスト」や「ユニバーサルゼロトラスト」といわれている概念が広まりつつあるのが最近の傾向だとした。

 高岡氏は、「ゼロトラストが様々な観点で価値があることをご理解いただきたいです」として、ユースケースをいくつか紹介。日本の複雑な雇用体系において、外部社員に対してコラボレーションをする際にも有効に働くとして、「海外ではM&Aの観点で活用されていたが、日本では複雑な雇用体系の下で柔軟な業務連携で生かせるでしょう」と述べる。また、データセンターの延長としてパブリッククラウドを使う企業においては、VPNを使わないとアクセスできないなど生産性を落としているケースも多いという。

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 最後に同氏は、ゼロトラストがセキュリティと生産性をあわせもつDX実現のコアになるとして、「ゼロトラストのもっている価値をバズワード的にとらえるのはもったいなく、働き方改革やDXにどう活用できるか。単純なセキュリティの延長線ではなく、どういうインフラに変えていくべきかが求められている」と述べて締めくくった。

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この記事の著者

岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)

1993年福岡県生まれ。京都外国語大学イタリア語学科卒業。ニュースサイトの編集、システム開発、ライターなどを経験し、2020年株式会社翔泳社に入社。ITリーダー向け専門メディア『EnterpriseZine』の編集・企画・運営に携わる。2023年4月、EnterpriseZine編集長就任。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://enterprisezine.jp/news/detail/17302 2023/02/02 13:33

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