Apptio 成塚氏:日本企業のITファイナンスの課題に取り組む
キーノートでは、Apptio日本代表の成塚歩氏が登壇。同氏が日本法人代表を務めるApptioは、2007年に米ワシントン州ベルビューで創業。TBM(Technology Business Management)という方法論と、それに基づくSaaSソリューションを提供している。
「CEOにはERP、セールスリーダーにはCRM、人事にはHRMがあるのと同様に、CIOやテックリーダー向けのソリューションとしてTBMがあります。TBMとは、ITファイナンスの高度化を実現するための方法論です」成塚氏。
日本では、企業のIT予算は限られているものの、大規模な予算を持つ企業の場合、年度末には予算が余ってしまうという問題がある。また運用コストが肥大化するなかで、新規開発投資が抑制されるなどの課題もある。
Apptioのソリューションでは、社内の各種ITシステムに蓄積されたデータや各総勘定元帳のデータを集約することで、IT投資状況を可視化する。これにより、予実の差異や配賦コストの適正化を行い、IT投資の意思決定が可能になる。「比較的大規模で25億円以上のIT予算をもつ企業が対象となる。グローバルでは導入者数は1800以上となり、日本でもすでに導入が進んでおり、運用費を大幅に削減した実績も出てきている」(成塚氏)という。TBMの考え方と手法の詳細は、今回出版された『TBM ITファイナンスの方法論』(翔泳社)に記載されている。