「USBメモリ」を起因にしたセキュリティ事故が相次いで発生──どうしたら防げるのか?
600以上の自治体や医療機関などが支持する、“ファイルを無害化する”システム
DXを推進する潮流から基幹ネットワークも外部のネットワークへとつながる時代になっている。これによりAIやIoTとの連携ができるようになった一方で、ランサムウェアによる攻撃を受けるリスクが高まっている。もしシステムが停止すると、事業継続ができず大きな損害がでてしまいかねない。ときには企業だけでなく、社会全体でも被害を受けてしまう。DXの流れからはもう逃れられないのが実情だ。「Security Online Day 2023 春の陣」ではサイバー攻撃から基幹ネットワークを守るため、プロット 常務取締役の坂田英彦氏がファイルの授受を安全に行う方法について語った。
サイバー攻撃により社会全体に影響を及ぼすことも
プロットは組織間のデータの受け渡し、メールによるコミュニケーションなどを安全に行うソリューションを提供する。1968年の創業当初は紙媒体で使用する版下を作る写真植事業を行っており、インターネットの発達を予測してWeb系のシステム開発へ移行。今はセキュリティ製品の開発へと事業の拡大を続けている。登壇した同社の坂田氏は「サイバー攻撃は災害やテロのような性質のものに変わってきています」と話す。

ニュースで取り上げられるようなサイバー攻撃、事件というと、大手教育系サービス企業での派遣社員による名簿情報の流出、金融団体への標的型攻撃による侵入・情報漏洩が挙げられる。しかし今では、医療機関の電子カルテなどの情報が暗号化されて、医療サービスそのものを提供できなくなるような巧妙なものに変わりつつあるという。サイバー攻撃は企業の事業継続だけでなく、周辺地域の住人が医療サービスを受けられないなど、社会全体まで悪影響を及ぼすものになっているのだ。
このような事態は日本だけではない。トレンドマイクロが実施した、DXに取り組む製造系企業へのアンケートによると、6割がサイバーセキュリティインシデントを経験しており、そのうち7割以上が事業継続に欠かせない生産システムが停止した経験があると回答している。
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しかも、生産システムが停止した期間が4日以上に上る企業が43.4%にものぼった。事業が4日も停止することは、非常に大きな打撃だ。世界中で基幹系システムが狙われている状況にあるといえる。
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森 英信(モリ ヒデノブ)
就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...
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