
Tableauは現地時間5月9日から11日までの3日間、米ラスベガスで開催したTableau Conference 2023で、ジェネレーティブAIを中心に複数の新機能を発表した。メディア向けに行われたオンライン説明会での「Tableau GPT」「Tableau Pulse」「VizQL」などの主要技術を紹介する。
新CEO Ryan Aytay氏が掲げる「イノベーション」「パートナーエコシステム」
最初に登場したのが5月3日に新CEOに着任したばかりのRyan Aytay氏。同氏は2007年にセールスフォースを入社後、直近の2年間はCROの役割を務めてきた。Tableauの新CEOとして同氏が挙げた戦略的優先事項は以下の2つだ。
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イノベーションの加速:ビジネス環境が厳しさを増す中、世界中の企業にとって最も優先的に取り組むべきテーマがDXだろう。そして、世界は非常に速いスピードで動いている。この変化のスピードに追随することも必要だ。Aytay氏は「私たちはDXにはデータトランスフォーメーションが必要だと考えています」と語り、セールスフォースとの緊密な連携を進め、イノベーションを加速させることに取り組んでいく意思を改めて表明した。
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パートナーエコシステムの強化:Tableau Conferenceのようなイベントは、コミュニティメンバー同士でアナリティクスに関する知見の共有を促すことができる場として提供されている。Tableauとしてはコミュニティメンバーがつながる機会を増やしたいと考えている。セールスフォース内にいる9,000万人のTrailblazerの知見がTableauのコミュニティに加われば、より強力なエコシステムになる。「Tableauのコミュニティは、世界に大きな影響を与えることができる人々の集まりだと考えています」とAytay氏は訴えた。
2003年に創業したTableauにとって、2023年は20周年の節目に相当する。Tableauはセルフサービスアナリティクスのリーダーとして、イノベーションに力を注いできた。2022年だけでもTableauは120以上の新機能をリリースした。「私たちはこれまで多くのイノベーションを実現してきたことを誇りに思っています」と、TableauでChief Product Officerを務めるFrancois Ajenstat氏も話す。ダッシュボードやレポートはもはや静的なものではない。データを見て、疑問を抱いたら、その場で調べて解消する、インタラクティブな環境が当たり前のものになった。
しかし、現実はTableauが目指す誰もがデータにアクセスできる環境にはほど遠い。「多くの調査結果が、組織の中でデータに自由にアクセスできる人は3割程度に過ぎないと示しています」とAjenstat氏は指摘する。言い換えると、残りの7割はデータドリブンで仕事ができる状況にない。だからこそ、「人々がデータから答えを得る方法と場所を再考する必要があるのです。これは私たちTableauがイノベーションを加速させる根拠となるものなのです」とAjenstat氏は語った。
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冨永 裕子(トミナガ ユウコ)
IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...
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