大手企業で導入相次ぐ「D'Amo」とは?
こうした課題を抱える企業の間で最近注目を集めているのが、前出の「D'Amo」だ。開発元のペンタセキュリティシステムズは、韓国に本社を構えるセキュリティベンダーであり、同国で2000年代に多発した大規模な情報流出事故に際して、政府と協力して対応してきた現場仕込みの実力派と言える。欧米の有名企業でも導入されており、既に韓国ではトップベンダーとして国家機関や大手企業にソリューションを提供するなど実績も折り紙付きだ。
そして、D'Amoは暗号化をはじめデータベースを保護するための様々な機能をワンパッケージでまとめて導入できる製品であり、その特徴について次のように美濃部氏は説明する。
「D'Amoのデータベース暗号化機能は、データベース導入時やアプリケーション開発時に組み込むことも可能ですが、既存のデータベース環境にアドオンする形で付加することも可能です。こうした特徴から、これまでのデータベース環境のデータ保護を目的としたソリューションとして数多くの企業に採用されています」(美濃部氏)
また、多くのデータベース管理者が危惧するパフォーマンス問題についても、これを回避するための様々な工夫が凝らされている。たとえば、データベース内の暗号化・復号処理に関しては、過去幾多のバージョンアップを経て、処理効率を最大限追求した実装方法が採用されているという。さらに、データベースの検索処理に関しても「暗号化インデックス」オブジェクトを用いて応答性能の劣化を抑えるための特許技術を実装している。
加えて、暗号化だけでなくアクセス制御やポリシー監査といったデータベースセキュリティで必要とされる機能を網羅しているため、既存のデータベース環境にD'Amoを導入するだけで、データ・セキュリティを強化できる点も特長だ。そのため、必要に応じてオプション機能やポイントソリューションを個別導入する場合と比べ、導入コストを低く抑えることができるという。