後輩の成功を共有する喜び
正直に言って、OJT担当者は大変なことがいっぱいだし、慣れるまでは忙しく感じると思います。業務だけでも十分すぎるほど忙しいのに、「それ以上にがんばれ」と言われてはモチベーションが保てませんよね。最終回は、実際の担当者から寄せられた経験談をご紹介しながら、OJTの楽しさをお伝えしたいと思います。
Aさんの体験談
数年前、Aさんは新入社員BさんのOJT担当者に任命されました。ところが、その頃のチームは火の車の状態。やむなく、マネージャは、Bさんもメンバーの頭数に加えることにしました。当然のことながら、Bさんは自分の作業をほとんどこなすことができません。結局、Aさんは自分の作業を終えた後、毎晩深夜までBさんを手伝ったそうです。
それから数年。Bさんはいまやリーダーを務めるまでに成長しました。「あのBさんがねぇ。マスターデータを消した時は、本気で殴ろうかと思ったけどな」と言いつつも、「そのうちおれが彼の下で働くことになっちゃったりして。自分も頑張らなきゃマズいね」と、Bさんの思い出話を語る表情はとても嬉しそうでした。
行動の結果が後輩の成長となって表れる
後輩の成長を見るのが楽しい。彼らの成功が自分のことのように嬉しい。OJTを担当した方とお話ししていると、多くの方がそのようにおっしゃいます。また、自分が担当した後輩が彼の後輩に対して、自分と同じように教えている姿を見て、「もともとは自分が教えたんだぞ!」と誇らしい気持ちになるという話も聴きます。
一方で、「ずいぶん時間をかけて育てたのに、後輩は全然仕事ができない。自分の教え方が悪かったのだろうか?」といった声も聴くことがあります。つまり、OJTの結果は皆さん自身に対して返ってくるものなのですね。せっかく、OJTを担当するのであれば、頼れる後輩を育てたいものですね。