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週刊DBオンライン 谷川耕一

ダウンジャケットの名門「カナダグースジャパン」がMicrosoft Dynamics 365を導入した理由 急ピッチの法人設立はなぜ成功したのか?

カナダグースジャパン 潮田英行氏/サザビーリーグ 石橋 晃氏・日下勇輝氏 インタビュー

 カナダグースは日本市場での本格展開を目指して法人「カナダグースジャパン」を設立。同時に短期間でERPの導入に成功した。多くの企業が取る「Fit & Gap」の手法とは一線を画し、同社は「Fit to Standard」のアプローチによって、SaaS型のERP「Microsoft Dynamics 365」を極力カスタマイズを抑え、効率的かつ低コストで導入している。サザビーリーグ、カナダグースジャパンの責任者に導入プロジェクトの成功要因を聞いた。

本社と同じMicrosoft Dynamics 365を導入

 ダウンジャケットで知られる「カナダグース」が日本で販売されるようになったのは、20年ほど前だ。日本でも販路は徐々に拡大し、商品の認知度は高まっていったが、ブランド本来の価値が市場に正しく伝わっているとは言い難いところもあった。そして2015年には、サザビーリーグがカナダグースと日本国内の独占販売契約を締結、2016年から国内ビジネスの展開を開始、2017年には神宮前2丁目に日本初の旗艦店を出店している。さらに店舗を含む小売り事業の拡大を加速するために、2022年4月4日にサザビーリーグはカナダグースホールディングスと共同出資でカナダグースジャパンを設立する。

 日本法人設立以前、カナダグースのビジネスはサザビーリーグの社内カンパニーという位置づけだった。その背景を語るのはサザビーリーグの執行役員で、IT統括・コーポレートシステム部 部長である石橋晃氏だ。「社内カンパニーとして活動していた事業部が、商品を持って新たに独立することになったのです」と語る。事業部だった際には、当然ながら業務に必要なITシステムはサザビーリーグ本社で用意していた。独立後にもそれらの一部を利用することもできたが、「本国からさまざまな要求が出るはずだと考え、新たな業務システムが必要だと判断しました」と言う。

 カナダグースジャパンの設立は、2021年始め頃にサザビーリーグで明らかになる。とはいえその時点ではまだ、正式決定が下されたわけではなかった。設立が見込まれる中で、設立後を見据えさまざまな準備をする必要があった。新法人設立まで残り1年程となった頃には、見切り発車で業務システムの新たな導入プロジェクトがスタートする。カナダグース本社との協議を経て、採用することとなったのは、本社も利用していたMicrosoft Dynamics 365だった。

 もともと利用していたサザビーリーグの業務システムは、スクラッチで自社開発したものだった。そのため「米国における企業会計や財務報告に関する法律であるSOX法や国際財務基準のIFRSに対応したレポートを出すことができず、英語表記もままならないものでした」と言うのは、カナダグースジャパン リテール部 部長の潮田英行氏だ。SOX法やIFRSにも対応でき、グローバルで使えるシステムが必要であり、それならば本国も採用しているDynamics 365にするべきだとの判断を下すこととなる。

カナダグースジャパン リテール部 部長 潮田英行氏
カナダグースジャパン リテール部 部長 潮田英行氏

 2021年5月にDynamics 365の導入方針が決まり、最初にこのシステムに精通しているパートナーをMicrosoftから紹介してもらう。紹介されたパートナー企業数社から提案をもらい、導入支援パートナーとして選んだのは日立ソリューションズであった。今回の業務システムの新規導入は、2022年4月に新法人がスタートするため提案時点で残された時間は10ヵ月を切っていた。そのため提案の中には、期日までに間に合わないのでカットオーバー時期を延期するものもあった。また、そもそもこのスケジュールでは無理だと提案を断る企業もあった。そのような中で日立ソリューションズは、このスケジュールでも可能だと言う。さらに日立ソリューションズの提案は、コストも含め、提案内容がカナダグースジャパンの要件を満たすものだった。そして「最後は、提案チームへの信頼感が決め手でした」と石橋氏は振り返る。

 当初、石橋氏は同じMicrosoftのERPでも、経験のあったDynamics 365 Business Central(旧NAV)を使うことも考えていた。とはいえ実装した後で、Dynamics 365との違いの部分をすり合わせながら使うとなれば、話がかなりややこしくなる。そう考え、本社と同じシステムの採用を決めた。そして「Dynamics 365なら会計もSCMも、1つのシステムで実現できることが、選定した理由の1つです」とも言う。

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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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