カリフォルニアはテクノロジーで先行する場所
Oracle OpenWorld 2009で最も注目され、莫大な数の聴衆を集めるのがCEOであるラリー・エリソン氏のキーノートセッションだ。その会場に、さらに多くの人を集めた特別ゲストが登壇した。カリフォルニア州知事であるアーノルド・シュワルツェネッガー氏だ。
ラリー・エリソン氏に紹介され登壇したシュワルツェネッガー氏は、俳優として映画に出ていた時からコンピュータ・グラフィックスという技術に助けられていたと語る。 「映画コナン・ザ・グレートでは大蛇と闘ったり、ターミネータではトラックを投げ飛ばしたりしたけれど、これらはすべてテクノロジーの力がなければあり得なかったこと」とおどけて語り、会場をおおいに沸かせた。
シュワルツェネッガー氏は「テクノロジーというものは、チャレンジする上でパートナー的な存在。たとえば、現在は遠隔医療診断がうまくいっていないので、毎年医療過誤で大勢の人たちが傷ついたり、場合によっては亡くなるという事故が起こっている。こういったことも最新の電子カルテのシステムなどの導入により解消できる可能性がある」と語る。
また、温室効果ガスの削減に関しても新しいテクノロジーなしには成し遂げられないと強調。たとえば、2050年に1990年比で70%という高いレベルの温室効果ガス削減を目指すならば、新しいテクノロジーがなければ達成できない。たとえば、トラックから多くのCO2が発生するが電気トラックを利用することで大幅に減らすことを考えている。
また、カリフォルニアはバイオテクノロジー産業の発祥の地だとも、シュワルツェネッガー氏は言う。幹細胞の研究からアルツハイマーやパーキンソン病などの難病を治療する薬の開発なども実現しつつあるとのこと。そして、エネルギー政策についても、カリフォルニアはリーダーシップをとっているとシュワルツェネッガー氏が言うと、会場からは大きな拍手が巻き起こった。
エネルギーについては、他国に依存しないようにする政策も大事だが、クリーンエネルギーの開発にもカリフォルニアでは力を入れている。そして、海軍が太陽光発電の技術を持つ会社と契約して、それを利用することになっている。海軍のようなところが、こういったエネルギーを活用するというのは、非常に重要なことだと指摘する。
「デトロイトではやっと電気自動車が重要だということに気がついたようだが、カリフォルニアにはすでにポルシェに匹敵する性能を誇る電気自動車がある」とシュワルツェネッガー氏は自慢する(これは、シリコンバレーの成功した人々が出資しているTesla Motorのスポーツカーのことで、シュワルツェネッガー氏も予約していると言われている)。
実際、カリフォルニア州は、1人あたりの電気の使用量は他の州よりも40%以上少ないという。 このようにカリフォルニアはテクノロジーで先行する場所であり、そのなかでもリーダー企業として世界中で成功しているのが、SunとOracleだと言う。「SunとOracleが一緒になれば無限に力を発揮することができるだろう」と両社の合併を歓迎し、最大限の賞賛を送った。