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SAP が実現したERPとBI の融合による新たな価値の提供

SAPとBusiness Objectsの統合によりもたらされたもの。それは、単にBIツールがSAPのラインナップに加わったということにとどまらない。ERPはBIの融合でより大きく進化し、ERPだけでは提供できなかった新たなサービスも展開できるようになったのだ。また、従来のKPIありきのBIのアプローチからの脱却も始まっており、これはBIの敷居を大きく下げる画期的なものとなっている。

ERPとBIの融合によるメリット

 ERPベンダーのSAPはBI(Business Intelligence)のBusiness Objectsを融合することで、いったい何を目指しているのか。これには、2つの方向性がある。1つは、2社の融合により、SAPにしか提供できない新たなサービスや製品を提供すること。そして、もう1 つが従来のBusiness Objects のソリューションを、SAPのもとでさらに良いものにすることである。

 ERPの特長は、業務プロセスを整理し効率化してコストを下げることで、ビジネスそのものを効率化することである。そして、そこから新たなビジネスの変革を起こすことだ。従来のERPは、よりスムーズにプロセスを回すことが主流だった。システム的にデータが滞りなく受け渡されるようにプロセスを効率化するには、実行されるさまざまなワークフローのポイントごとに、ユーザーが介在し判断して承認を先に進める。

 SAPでは、さまざまな判断に必要となる情報をERPから抜き出し、ユーザーに提供する機能は持っていた。これを活用することで作業は大きく効率化できたが、Business Objectsとの融合では飛躍的な向上が可能となり、より正確な判断が行えるのだ。

 たとえば、従来の仕組みでは自動的にアラートなどは出せても、それ以上はユーザー自ら別のツールを立ち上げ、必要な情報にアクセスし分析を行う必要があった。これが、SAPのERP とBusinessObjects との融合を果たした結果、過去の関連情報を示すのはもちろん、必要な関連分析画面まで自動的に提示し、それを用い業務プロセスの流れを中断することなく瞬時に判断することが可能となった。つまり、ユーザーがERPを利用していて判断が必要となるポイントに到達したならば、自動的に次にどうするべきかがリコメンドされる。
 SAPは、ERPベンダーとして、業務アプリケーションについては業界でもっとも知識も経験もあると自負している。とはいえ、従来の仕組みだけでは分析を行うデータをERPから取り出してくるのは、それなりに苦労する作業だった。どこから何をどういう形でとってくるかをあらかじめ決めなければならず、それが完成して初めて必要な情報が収集できる。

 一方、Business Objects には、長い年月にわたり分析環境を構築するノウハウが蓄積されており、それとSAPの業務知識と経験を合わせることで、収集すべき情報とその構造の定義などをあらかじめ整備できる。その結果、判断が必要になったときと自動的に必要な情報や分析環境を提供できるのである。

 また、SAPではERPの導入でビジネスにどれくらいの効果があるかをアセスメントするサービスを行ってきた。これと同様に、BIについても導入によりROI(Return on Investment)がどうなるかといったアセスメントサービスの提供を開始した。さらには、BIとERPを入れるとどうなるかのアセスメントも可能なのだ。

 このように、BIツールがSAPのラインナップに新たに追加されたというだけではなく、融合によって製品トータルの新たなメリットが生まれている。さらには、ERPにもBIにも詳しい人間がSAPには数多くいるので、他社にはできないアセスメントや導入支援サービスが行えるのも融合の大きなメリットだ。特に、このコンサルティングサービスは、他社には真似のできない分野だと考えている。

次のページ
融合によるBIの技術的な側面の向上

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この記事の著者

塚本眞一(ツカモトシンイチ)

SAPジャパン株式会社
ビジネスユーザー&プラットフォーム事業本部
BIP事業開発部 部長

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://enterprisezine.jp/article/detail/2031 2009/12/11 07:00

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