Red Hatは2024年9月10日、「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)AI」の一般提供を開始したと発表した。
RHEL AIは、エンタープライズ・アプリケーションを強化するための生成AI(gen AI)モデルをよりシームレスに開発、テスト、実行するための、Red Hatの基盤モデルプラットフォーム。同プラットフォームは、オープンソースライセンスのGranite大規模言語モデル(LLM)ファミリーと、Large-scale Alignment for chatBots(LAB)方法論に基づくInstructLabモデル・アライメントツールを統合したもので、ハイブリッドクラウド全体で個々のサーバーをデプロイするために、最適化されたRHELイメージとしてパッケージ化されているという。
RHEL AIの特徴は以下のとおり。
- エンタープライズグレード、オープンソースライセンスのGraniteモデル:gen AIのイノベーションを強化し、様々なgen AIのユースケースに対応
- InstructLabツール:gen AIモデルをビジネス要件に効率よく合わせられるようにする。組織内のドメインエキスパートや開発者が、データサイエンスのスキルなしで、独自のスキルや知識をモデルに提供できる
- トレーニング・デプロイ:gen AIをハイブリッドクラウド上でトレーニングし、デプロイできる。これは、関連するデータがどこにあっても、本番でのサーバーのモデルを調整し、デプロイするために必要なすべてのツールを提供することで実現。また、RHEL AIは同じツールとコンセプトを使用しながら、モデルをスケールアップしてトレーニング、調整、提供するためのRed Hat OpenShift AIへオンランプすることも可能
また、RHEL AIは、Red Hatサブスクリプションで支援されており、エンタープライズ製品の提供、24時間365日のサポート、拡張モデルのライフサイクルサポート、モデルの知的財産補償、Open Source Assuranceの法的保護が含まれるとのことだ。
今後は、Red Hatのハイブリッドクラウド・ポートフォリオを拡張するにあたり、RHEL AIをオンプレミスのデータセンターからパブリッククラウドまで、ほぼすべてのエンタープライズ環境に拡大する予定だという。これにより、RHEL AIはRed Hatから、またはRed Hatの相手先ブランド製造(OEM)パートナーから入手できるようになり、Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud Platform(GCP)、IBM Cloud、Microsoft Azureを含むクラウドプロバイダー上で実行できるようになるとのことだ。なお、AzureとGCPでのBYOSサービスの提供は2024年第4四半期に予定されており、RHEL AIも今年後半にサービスとしてIBM クラウドで提供を予定しているという。
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