利用可能データは「900%増加」 Agentforceが新次元を切り開く
Salesforce肝いりのAgentforceだが、これに対応するためData Cloudにも新たな機能が加えられた。それが「非構造化データ」への対応である。「データの90%が非構造化コンテンツであり、活用ができていない」とハースト氏。この課題を解消するための動きであり、検索拡張生成システム(RAG)を用いることで、Agentforceなどでも非構造化データを活用できるようになった。ハースト氏は「つまり、使用できるデータを900%増やしたということです」と強調する。
もちろん、非構造化データへの対応は他社サービスでも提供されているが、ビデオやオーディオ形式のデータも活用できる点が特徴だという。ここで登場するのが「Service Agent」だ。たとえば、電話応対のオーディオデータを分析することで、顧客体験を向上させるためのコーチングを行える。何が最も効果的だったかを分析し、次の対応に活かすことが可能だ。
「Salesforceのユーザーは、業務を効率化してくれる多数のエージェントを持つことになり、本来の業務に集中できるようになります」
何よりも競合他社に対する優位性は、Salesforce Platformというプラットフォーム全体で利用できることだとハースト氏。「非構造化データへの対応、RAG機能を持つサービスを提供しているベンダーもいますが、Salesforceのようにアプリケーション、そしてCXまで統合して設計している企業はいません」と語る。
なお、Agentforceは、外部APIからアクションを構築することも可能だ。独自のLLMだけでなく、汎用的なLLMにも対応することでオープン性や拡張性も備えるような設計にしたという。また、ユースケースごとに複数のテンプレートが用意されており、そのまま利用するだけでなく「Agent Builder」を用いることで、独自エージェントを作成することも可能だ。
「ユーザーは自然言語で必要な動作を説明し、クリックだけで必要なアクションを設定することができます」