SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Enterprise IT Women's Forum

2025年1月31日(金)17:00~20:30 ホテル雅叙園東京にて開催

Security Online Day 2025 春の陣(開催予定)

2025年3月18日(火)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

EnterpriseZine Press

川崎重工業がデジタル活用で目指す未来創造──産業界一丸での“IX”で成し遂げるイノベーションとは

 2024年10月28日~30日に開催された「Gartner IT Symposium/Xpo™ 2024」。2日目の講演に、川崎重工業の代表取締役副社長執行役員社長補佐を務める中谷浩氏が登壇した。中谷氏は、同社グループが掲げる2030年ビジョンの取り組みに加え、日本産業全体の革新と産業の調和、そして社会貢献をともに目指す「インテリジェンス・トランスフォーメーション(IX)」の必要性について語った。

受け継がれる“技術”と“精神”

■登壇者
中谷浩氏
川崎重工業株式会社
代表取締役副社長執行役員社長補佐、技術・生産・調達・TQM・DX戦略担当

 中谷氏は1984年に川崎重工業へ入社し、技術開発や企画業務に従事。2020年には取締役に就任し、経営企画担当、デジタルトランスフォーメーション担当、船舶海洋カンパニー担当、技術開発本部長を務め、翌年にはサイバーセキュリティ担当も兼任した。2022年からは代表取締役副社長執行役員として、社長補佐および技術・生産・調達・TQM・DX戦略などの責任を担っている。

 中谷氏は冒頭、「川崎重工業の事業変革は『産業イノベーション』とも呼べるかもしれません。当社の歴史が示す成果は、世界に誇る“製造技術”と、産業界のリーダーであり続けようとする“精神”にあります。この技術と精神は、新しい時代に向かう当社の全従業員に受け継がれ、社会課題の解決に貢献する原動力となっています」と語る。

 ものづくりの精神はこれからも不変だが、中谷氏は、「過去の延長線上で同じ手法を続けるだけでは現代のニーズに応えられない」とし、さらなる変革が必要であるとの考えを示した。そして今後100年、社会課題の解決だけでなく、日本の産業界の未来にも貢献することを目指しているとした。その背景には、創業者である川崎正蔵から受け継がれる「そのわざを通じて国家社会に奉仕する」という理念がある。

川崎重工業を“新たな製造業”の姿に

 製造業界においてもデジタル技術の活用は進んでいるが、より高度なものづくりの実現は容易ではない。顧客へ提供するサービスだけでなく、社内のオペレーションや製造プロセスそのものの変革も求められている。また、長い伝統と歴史を持つ企業にとって、DXの浸透は一筋縄ではいかない。

 組織を構成する一人ひとりの意識を変革することは難しい。「人にはそれぞれの心や経験があり、それらは尊重されるべきだが、変革期には人の弱さが組織全体に大きな影響を与えることもある」と中谷氏。だからこそ、先進テクノロジーを活用して弱点を補うことが重要だと痛感しているという。

 同社は、「TQM(Total Quality Management:総合的品質管理)」の思想を基盤にすべての業務プロセスを見直し、行動規範の定着を図ることで、企業風土の醸成とコンプライアンス強化を進めている。これにより、「川崎重工業が時代の模範となり、社会に向けた変革をリードする」ことを期待していると中谷氏は述べる。

 社会に対する奉仕の想いは、現在の代表取締役社長である橋本康彦氏にも受け継がれている。橋本氏は川崎重工業への信頼を次世代に託すために、顧客のニーズを敏感に捉え、迅速に対応することの重要性を認識しているとのことだ。そこで、DXのさらなる推進や、スピーディに成果を生み出す文化の醸成を掲げているのだという。川崎重工業を、「デジタル時代に適応し、急速な社会の変化にも応えられるものづくり企業」へと進化させようとしているのだ。

次のページ
未来の創造にはデジタル技術の力が不可欠

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
EnterpriseZine Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/20955 2025/01/10 09:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング