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伊藤忠もSAP移行で総テスト工数を65%削減、Tricentisの本格進出でテスト自動化は変わるか

ビジネスにも寄与、経営・マネージャー層への浸透に課題

「アプリケーションモダナイゼーション」の人手不足を解消へ

 前述したようなTricentisの製品はSAPにOEM供給しており、「SAP Enterprise Continuous Testing by Tricentis」として別途SAPから提供されている。日本においてもこれまではSAPユーザーによる導入例が多く、特に2027年に控えたSAP ERPのサポート切れにともなうSAP S/4HANAへの移行を見据え、Tricentisのテストソリューションを導入する企業も少なくない。

 「日本法人を立ち上げてもうすぐ1年になりますが、その間にSAPやパートナー企業との連携を深め、SAPユーザーである大手企業に対するソリューション提供に力を入れてきました。S/4HANA移行に代表される『レガシーアプリケーションのモダナイゼーション』には多大な工数が掛かる一方、『IT人材不足』も年々深刻化しています。そこでテスト自動化ソリューションを導入してテスト工数を削減することで、モダナイゼーションにおける人手不足を解消していきます」(成塚氏)

Tricentis Japan 代表執行役 成塚歩氏
Tricentis Japan 代表執行役 成塚歩氏

 また同社の製品はS/4 HANA移行時のテストだけでなく、移行が終わった後の他拠点展開や、定期的なアップグレード、アドオン開発の際のリグレッションテストにも適用できる。そのため「SAPを使い続ける限り、さまざまな場面で活用できます」と成塚氏は投資対効果の高さを強調した。

 加えて今後はSAP以外のパッケージ製品ユーザーに対しても、同社製品の導入メリットを訴求したいという。特にSAPに次いでエンタープライズ向けERPとして導入例が多いOracle製品については、今後パートナー企業との連携を強化しながら、ユーザー企業に対して価値を積極的にアピールしていく狙いだ。

テスト自動化で「品質向上」と「リリースサイクル短縮」を同時に実現

 実際にTricentisの製品を導入することで、多くのユーザー企業がテスト作業に要する工数や時間、人員などの削減効果をあげているという。たとえば前述した伊藤忠商事の事例では、Toscaを導入したことで総テスト工数を65%削減。Tricentis日本法人が独自に行ったアンケート調査では、回答者の65.8%が「テスト自動化ソリューションの導入によってIT人材不足が解消された」との回答が集まった。平均約50%のコスト・時間削減効果があったとの回答も得られている。

 こうした定量的な効果だけでなく、「ソフトウェアの品質向上」「リリースサイクルの短縮」といった定性的なメリットを口にするユーザーも多く、成塚氏も「個人的には、こうした“攻め”の取り組みは価値が高いと感じています」と述べる。

 「テスト自動化ソリューションを導入することで“シフトレフト(Shift Left)”、つまり開発ライフサイクルの上流でテストを実行し、高い品質を実現します。またCI/CDプロセスに自動テストを組み込み、高頻度・高回転・高速でテストを実施することで、リリースサイクルの短縮も同時に実現できます。こうした定性的な品質向上の効果はなかなか目に見えづらいですが、ビジネス全体への貢献度は極めて高い領域でもあります」(成塚氏)

 こうした効果は、頻繁にリリースを繰り返すWebサービスやクラウドアプリケーションのテストにおいて顕著に表れるが、ウォーターフォール型の開発プロジェクトも例外ではない。テスト自動化ツールを活用し、上流工程で製品を作り込むことによって、品質向上やテスト工数削減に貢献できる。

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日本企業のテスト自動化を阻む「2つの障壁」

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この記事の著者

吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)

早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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