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伊藤忠もSAP移行で総テスト工数を65%削減、Tricentisの本格進出でテスト自動化は変わるか

ビジネスにも寄与、経営・マネージャー層への浸透に課題

 2024年2月に日本法人を立ち上げ、日本市場向けのビジネス展開を本格化させつつあるテストソリューションベンダー「Tricentis」。これまでは主にSAP製品のユーザー企業における製品導入事例が多かった同社だが、日本法人の代表を務める成塚歩氏によれば、今後はより幅広い層に製品価値を訴求しながら、日本における「テスト自動化」の普及に寄与していきたいとしている。

日本事業に本腰 Tricentisが狙う「テスト自動化市場」

 米・テキサス州オースティンに本社を置くTricentisは、ソフトウェアの自動テストツールを開発・提供するベンダー。世界中で3,000社以上の企業が同社製品を導入しており、2024年2月には日本法人を設立し、同市場向けビジネスを本格的に立ち上げている。

 日本法人立ち上げと同時に代表に就任した成塚歩氏は、かつて日本マイクロソフトでエンタープライズ事業に携わり、その後2020年にApptio社に転じて日本法人の代表取締役社長を務めた人物だ。2023年に同社がIBMに買収されたタイミングで職を辞し、次のキャリアとしてTricentisを選択した理由について、同氏は次のように説明する。

 「DXの進展によってビジネスがITに依存する度合いは年々高まり、『ソフトウェアの品質』がビジネスに与えるインパクトも大きくなっています。そのためソフトウェアのテストを充実させて品質を向上させるための取り組みが重要になってきているのですが、日本では相変わらず人手に頼った旧態依然としたテストが行われています。だからこそ、テスト自動化ソリューションが必要とされるでしょう」(成塚氏)

 なお、Tricentisの米国本社も日本のテスト自動化市場の成長性には注目しており、今後5年で日本国内150億円の売り上げを目指しているという。

 同社の主力製品は、テストケースの作成や自動実行、テストデータの生成などの機能を持つ自動化ツール「Tosca」。主にエンタープライズ企業による導入が多く、日本でも伊藤忠商事がSAP ERPの基幹システムをS/4HANAへ移行する際に、同製品を適用してテスト作業の大幅な効率化を実現している。

 同製品の大きな特徴の1つが「モデルベース」と言われるテスト手法だ。テスト対象となるシステムを機能や画面単位でモジュール化し、それぞれでテストケースをオブジェクト化して管理するというもの。これによりシステムに仕様変更が生じた際には影響範囲を局所化でき、テストケースのメンテナンス性を大幅に向上できるという。

 「テストケースをスクリプトで記述するツールでは、仕様変更の際にスクリプトの変更箇所を特定するだけでも多大な工数が発生します。しかしToscaはテストケースをノーコードで記述でき、かつモデルベースの利点を生かして修正範囲を局所化できるため、テストケースのメンテナンス性が飛躍的に向上します。他社のテスト自動化ツールにも同様の機能を備えるものはありますが、エンタープライズ向け製品としてはToscaが唯一だと自負しています」(成塚氏)

 またTosca以外にも、テストプロセス全体の管理を行う「qTest」、負荷テスト・パフォーマンステストの自動実行を支援する「NeoLoad」などの各種テスト支援ツールも提供しており、これらを通じてソフトウェアのテストに必要なほぼすべてのソリューションをワンストップで提供できる点も同社の強みの1つだという。

 さらにエンタープライズ向け製品だけでなく、中小規模システムのテスト自動化に適した「Testim」という製品も提供している。海外では既に多くのユーザーを獲得しており、日本市場においても2025年から本格的な提供が開始される予定だ

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この記事の著者

吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)

早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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