今回はサーバーとストレージをつなぐインターフェースの発展について解説する。過去にはパラレル転送の方がシリアル転送より速いと考えられてきたが、現在はシリアル転送が高速化の主役だ。各インターフェースの特徴を解説しながら、歴史的な経緯を振り返ってみたい。
インターフェース発展の歴史
10人が1つのチームになり、皆がゴールに到着するのを競う競争があったとしよう。1人1人が順番に走って出て行くよりも、例えば5人ずつ2回に分けてスタートし、ゴールを目指したほうがきっと速いはずだ。5人ずつとは言わず、思い切って10人一斉にスタートしたほうがもっと速いことは言うまでもない。
このように複数のラインを使い、同じ目標に向かって一斉にデータを送り出す方式をパラレル転送と呼ぶ。これとは逆に1本のラインを使い、1つずつ順番にデータを送る方式をシリアル転送と呼ぶ(図4-1)。

日常的な常識ではパラレル転送のほうが絶対的にシリアル転送よりも速いと理解できる。コンピューターの世界でも長くこの常識が通用していた。
しかし今ではちょっと話が違う。現実の世界ではシリアル転送のほうが速いスピードが得られるのだ。なぜそうなったかを理解するために、少しパラレル転送の発展経緯を振り返ってみることにする。
パラレル転送はコンピューターのチップやバス、ネットワーク・ケーブルなどありとあらゆるところで利用されている。パソコンのディスプレイをつなぐケーブルもそうであるし、プリンターのケーブルもそうだ。パラレルで接続されるケーブルにはたくさんのピンが出ているので、誰でも容易にパラレル転送用の接続ケーブルを認識することができるであろう。

この解説では全てのことについて触れるわけにはいかないので、ストレージ接続において代表例として挙げられるSCSI(スカジー:Small Computer System Interface)を例にとって進めてみたい。
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佐野 正和(サノ マサカズ)
1986年日本アイ・ビー・エムの入社、本社SE技術部門で13年間ストレージ製品を中心に技術サポートを行なう。1999年にストレージ製品事業部に移り、以後、IBMストレージ製品の営業推進やソリューション推進、製品企画などの業務に携わる。現在、システム・ストレージ事業部でソリューション担当部長を拝任し、...
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