HPEとNVIDIAは、ラスベガスで開催された「HPE Discovery」において、業界全体でのAI導入を加速させるため、新たなAIファクトリーソリューションを発表した。
この新たなラインアップには、モジュール式AIファクトリーインフラ、HPEのAI対応「RTX PRO Server(HPE ProLiant Compute DL380a Gen12)」、そしてHPEターンキーAIプラットフォームである「HPE Private Cloud AI」まで、幅広い製品が含まれるという。その目標は、企業に生成AI、エージェント型AI、産業用AIを構築・拡張するためのフレームワークを提供することだとしている。
「NVIDIA AI Computing by HPE」のポートフォリオは、「NVIDIA Blackwell アクセラレーテッドコンピューティング」「NVIDIA Spectrum-X イーサーネット」「NVIDIA BlueField-3 ネットワークテクノロジ」「NVIDIA AI Enterprise ソフトウェア」、HPEのサーバー、ストレージ、サービス、ソフトウェアの包括的なポートフォリオを組み合わせたもの。これには、NVIDIA Enterprise AIファクトリー向けの検証済み可観測性ソリューションである「HPE OpsRamp Software」と、オーケストレーション用の「HPE Morpheus Enterprise Software」が含まれるという。その結果、チームがAIをより迅速に本番環境に導入できるよう支援する、事前に統合されたモジュール式のインフラスタックが実現したとしている。
これには、NVIDIAと共同で開発され、NVIDIA Enterprise AI Factoryフレームワークの一部として検証されたHPE Private Cloud AIが含まれるという。このフルスタックのターンキーAIファクトリーソリューションは、新しい「NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition GPU」を搭載した「HPE ProLiant Compute DL380a Gen12サーバー」を提供するとのことだ。
HPEから登場する新しい「NVIDIA RTX PRO Server」は、エンタープライズAIおよび産業用AIユースケースに対応するユニバーサルデータセンタープラットフォームを提供し、現在HPEから注文可能だという。HPE Private Cloud AIには、AIエージェントの作成とワークフローのための「NVIDIA AI-Q Blueprint」を含む、最新の「NVIDIA AI Blueprint」が含まれるとしている。
HPEはまた、「NVIDIA Blackwell Ultra GPU」を搭載した新しい「NVIDIA HGX B300システム」「HPE Compute XD690」を発表。これは、「NVIDIA AI Computing by HPE」のラインアップの最新製品であり、10月に出荷開始を予定しているという。
日本では、KDDIがHPEと協力し、グローバルで導入を加速するためにNVIDIA AI インフラを構築しているとのことだ。HPEが構築するKDDIのシステムは、「NVIDIA Grace Blackwell アーキテクチャ」に基づいた「NVIDIA GB200 NVL72プラットフォーム」を基盤とするラックスケールシステムで構築され、KDDIの大阪堺データセンターに導入予定だとしている。
金融サービス向けAIを加速するため、HPEはAccentureの「AI Refinery」上に構築されたエージェント型AIワークフローをNVIDIAと共同でテストし、HPE Private Cloud AI上で稼働させるという。初期のユースケースとしては、調達、購買、リスク分析などが挙げられるとのことだ。
HPEは、NVIDIA AIのユースケースをサポートするため、「Unleash AI」エコシステムに26社の新規パートナーを追加することを発表。同社は現在、不正検知やビデオ分析から、ソブリンAIやサイバーセキュリティまで、70を超えるパッケージ化されたAIワークロードを提供しているという。
セキュリティとガバナンスにも重点が置かれているとHPEは述べる。HPE Private Cloud AIは、エアギャップ管理、マルチテナント、量子暗号をサポートしているという。HPEの「Try Before You Buy(購入前試用)プログラム」により、顧客は購入前にEquinixデータセンターでシステムをテストが可能。HPEは、AI導入の拡大を支援するために、NVIDIAとの「AI Acceleration Workshop」などの新しいプログラムも導入したとのことだ。
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