移行か?継続か?──VMwareの完全リプレイスは不可能だからこそ押さえたい“現実解”への移行ステップ
ユーザー企業を悩ませる“苦渋の選択”にガートナーアナリストが送るアドバイス
移行を成功させるために、整理しておきたい「前提」と「進め方」
こうした現状から考えるに、VMwareからの移行を検討する場合は
- すべてのVMware環境を一度にリプレイスすることはできない
- VMware環境を完全にリプレイスする代替ソリューションは(現時点では)存在しない
という前提を理解したうえで、機能的にもコスト的にも受け容れられる代替ソリューションを選んでから、移行作業を進めていく必要がある。ここでデローリー氏は移行プロジェクトを成功させるためには、次の4つの柱に基づいたソリューションパスを描くことを推奨している。
- 戦略:移行プロジェクト全体の戦略を立てる
- アーキテクチャ:代替テクノロジーを選択する
- エンジニアリング:移行作業を進める
- アドミニストレーション:新旧の環境を調整し、運用/保守に備える
以下、それぞれのフェーズにおけるポイントをデローリー氏に聞いた。
第1の柱「戦略」:クラウド移行と同じ原則を適用
──移行の検討にあたってIT部門担当者がまずやるべきことは何か。
現在VMware上で稼働しているアプリケーションワークロードを"すべて"技術的に詳細に評価することだ。これに関しては近道は存在しない。
──具体的には何をどう評価すればよいのか。
各アプリケーションワークロードに対し、下記の項目で評価を行い、その上でサプライヤー(パートナー)と相談しながら、各ワークロードに最適なオプション(VMware代替ソリューション、サードパーティによる保守、代替ハイパーバイザー、パブリッククラウドなど)を判断していく。
- サポートされるハイパーバイザーは何か?
- コンテナ化は可能か?
- クラウドネイティブ化のパスはあるか?
- 導入済みのアプライアンスはあるか?
- VMwareに依存する機能は何か?
- 使用中のゲストOSは何か?
- ハードウェアサポートはあるか?
なお、Gartnerはワークロードの評価に際してアプリケーションのクラウド移行の際によく用いられる「7つのR」──維持(Retain)/リホスト(Rehost)/改修(Revise)/リアーキテクト(Rearchitect)/再構築(Rebuild)/リプレイス(Replace)/廃止(Retire)──を適用することを推奨している。プロジェクトの規模にもよるが、VMwareからの移行に必要なプロセスはオンプレミスからパブリッククラウドへの移行に近い。
──移行戦略を立てるうえで他に重要なことはあるか。
プランニング作成時に、IT担当者の専門知識(VMwareの代替テクノロジーに関する専門知識)をマネジメントチームと調達チームに提供することだ。VMwareから移行するかしないか、移行するとしたらどのテクノロジーか、誰がその判断をするにしろ、専門家の知識とアドバイスは選定における有益なガイドとなる。案外、(代替テクノロジーに関する)テクニカルな評価は抜けがちなので、もし専門知識を有するエキスパートであるなら、積極的に知識を共有すべきだ。
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五味明子(ゴミ アキコ)
IT系出版社で編集者としてキャリアを積んだのち、2011年からフリーランスライターとして活動中。フィールドワークはオープンソース、クラウドコンピューティング、データアナリティクスなどエンタープライズITが中心で海外カンファレンスの取材が多い。
Twitter(@g3akk)や自身のブログでITニュース...※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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