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TAPP、Agentforceで資産運用セミナーの顧客対応を刷新、問い合わせ解決率90.3%を達成

 資産運用コンサルティングを手がけるTAPPは、Salesforceが提供するAIエージェントプラットフォーム「Agentforce」を導入し、問い合わせ解決率約90.3%、月間100件の問い合わせ削減、月間60件の来場者確保という3つのビジネス成果を実現した。2026年3月31日、セールスフォース・ジャパンとTAPPが合同で発表している。

 TAPPは不動産・株式・NISA・相続・節税など幅広い資産運用の相談に応じるコンサルティング企業だ。テレアポや訪問販売に依存しないデジタルマーケティング中心のビジネスモデルを特徴としている。創業9年で組織規模は約30倍に拡大した。

 事業拡大に伴い、見込み顧客の獲得数は年間で41%増加。それに比例してセミナーの日程変更やキャンセルといった問い合わせも増大し、セミナー参加者の歩留まりや顧客体験の質をどう維持・向上させるかが課題として浮上してきた。

 [画像クリックで拡大]

 同社はThe Model(ザ・モデル)型のセミナー集客モデルを軸に、インサイドセールスとフィールドセールスの分業体制で効率的な営業活動を展開してきた。しかしセミナー運営チームは「お客様が最初に接触する人」として企業の第一印象を左右する重要なポジションにありながら、日程変更・キャンセル対応や問い合わせ対応に追われ、リソース不足が深刻化しつつあった。

 こうした状況を受け、同社がAI活用のゴールに据えたのは「プロセスを処理することではなく、お客様へより良い体験を提供すること」という方針だ。人とAIエージェントが協働して顧客サポートの迅速化と質の向上を実現すべく、Agentforceの導入を決断した。

導入の決め手は既存Salesforce基盤との連携と柔軟なガバナンス

 Agentforceを選定した理由として同社が挙げるのは、既存のSalesforce基盤を活かしてコミュニケーション(日程変更やキャンセル対応等)を取れる点、既存システムやデータとのシームレスな連携、そして柔軟性とガバナンスを兼ね備えたプラットフォームとしての特性だ。

 導入にあたってはデータ基盤の整備にも注力している。オブジェクト・項目の設計から入力パトロール(Slack通知による入力漏れの自動検知)まで、CRMデータの品質を担保する仕組みを先行して構築。「データ文化の醸成」を推進プロジェクトとして位置づけ、アドミン、エバンジェリスト、営業メンバーが連携する体制を整えた上でAgentforceを実装するという進め方をとった。

 今回の発表では、Agentforce導入によって生まれた成果が具体的な数値で示された。

 問い合わせ解決率については、セミナーの日程変更(1,060件中958件、解決率90%)、キャンセル対応(1,580件中1,487件、同94%)、特典付与等その他の問い合わせ(154件中77件、同50%)を合算し、2,794件中2,522件が解決されて約90.3%という水準に達した。

図 問い合わせ解決率約90.3%の内訳 [画像クリックで拡大]

 問い合わせ数の削減では、見込み顧客に対する問い合わせ率を年間約2.7ポイント低下させることで、月間100件の問い合わせをAIエージェントが一次対応として吸収する。来場者の確保については、AIエージェントが日程変更の要望に即応することで、導入から約1年で月間60件、全体で約3%の来場者を追加確保できたという。

 同社の執行役員VP of Marketingである齋藤喬氏は今回の発表で「人とAgentforceの組み合わせで最大成果を出すことができる」と語り、AIエージェントを「現場を支える仲間」と位置づける考え方を強調した。

 セールスフォース・ジャパンの常務執行役員・西田晶子氏は「Agentforceを活用することで、TAPPの営業担当者やコンサルタントはより創造的な業務に注力し、お客様の資産形成における最高のパートナーとしてさらなる価値を提供されることを確信している」とコメントしている。

 今後の展望についてTAPPは「TAPPマーケティング2.0」を標榜し、CRMのアーキテクチャ自体をAIを前提とした設計に刷新する計画を明らかにしている。広告配信からセミナー申込、インサイドセールス、フィールドセールス、CSに至るまでの顧客接点全体でAgentforceを最大限に活用していく方針だ。また、不動産物件の情報提供など既存顧客向けの「顧客サポートエージェント」や、銀行融資打診に対応する「銀行打診Agentforce」といった新たなエージェント活用も視野に入れているという。

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この記事の著者

京部康男 (編集部)(キョウベヤスオ)

ライター兼エディター。翔泳社EnterpriseZineには業務委託として関わる。翔泳社在籍時には各種イベントの立ち上げやメディア、書籍、イベントに関わってきた。現在はフリーランスとして、エンタープライズIT、行政情報IT関連、企業のWeb記事作成、企業出版支援などを行う。Mail : k...

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