見切り発車のAI PoCが引き起こす悲劇:技術的には成功でも「中止」になる……一体何が起こってる?
#1:PoCが始まる前に既に詰んでいる「企画とデータの落とし穴」
第2の落とし穴:PoC開始後にデータの管理状況に気づくのは遅すぎ
「触ってから考える」では遅すぎる
データ整備に想定外の工数がとられる。AIプロジェクトに携わる人なら一度は経験するはずである。よくある実態は以下のようなものだ。
- 社内システムにデータはある。しかし構造化されていない、または複数システムに分断されている
- 量は十分に見えるが、実際に使えるのはその一部(たとえばラベルなし、欠損多数)
- 「デジタル化している」と言われたがPDF化されているだけなので前処理の工数がかかる
- 個人情報・機密情報が混在しており、マスキング処理なしには使えない
「データの問題は触ってみないとわからない」という言葉は半分正しい。たしかに詳細はデータを触って初めてわかることもある。しかし触る前に確認できることを怠ったまま走り出すから、PoCの途中で立ち往生するのだ。事前の棚卸で可視化できる問題は想像以上に多い。
データ棚卸を省略したプロジェクトは次の2つのどちらかに落ち着く。
- 「結局よくわからなかった」で終了:本来3ヵ月の検証計画が、データクレンジングで半分以上を終える。関係者のモチベーションや予算期限が先に尽きてしまい、PoCで何も検証できないまま一旦クローズになる
- 「AIは使えない」という誤った結論:途中でデータ整備を打ち切り、限られたデータで無理にAI検証を回すが、精度が出ない。「やはりAIは使えなかった」という結論が社内に残る。次の施策がより困難になる
どちらも、本体PoCで得られるべき意思決定の材料が手に入らない。根本原因は共通したスコープ設定の甘さだ。
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三澤 瑠花(ミサワ ルカ)
TCS Japan AI Center of Excellence(AI CoE)deputy head / AI lab lead。AIコンサルタント/データサイエンティスト。保険・建設・製薬・小売など多業界で、AI導入プロジェクトのプリセールス(提案・営業支援)からデリバリー(実装・納品)までを...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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