AI時代にもなぜ炎上プロジェクトが生まれるのか IT部門が見直すべき「3つの統制」
AIで高速化しても炎上は止まらない 大型案件の成否を分けるマネジメントの勘所
AIを導入しても「炎上が止まらない」理由
AIは、要件整理から実装、テストまでを自動化し、開発スピードを劇的に高めました。ただし、実装が簡単になったわけではありません。AIならコードや設計書、テストケースまで一瞬で作ってくれます。しかし、それを書いたのは人ではありません。だからこそ、レビューや保守が難しい。結局は、人が「自分が書いていないもの」の責任を引き受けることになるのです。
自社にとって何を作るべきか、どこまで投資するか、誰が責任を持つのか。これらをAIは決めてくれません。むしろ、これは要件定義そのものです。この部分は、これからも人の仕事です。
私が怖いと思うのは、この部分なのです。AIは、要件定義書を数分で作りますが、そこには「これで十分だろう」とレビューを省略しようとする誘惑が生まれます。そして、実際の現場では、この誘惑に負けてしまうことがあるのです。AIで速く作れるようになったからこそ、レビューと検証の重要性は以前より高まっています。
また、AI時代では、IT部門が統制すべき対象──管理外で生成AIを利用するようなシャドーAI、ベンダーがAIで生成した成果物、AI利用にともなう運用コストや責任範囲──が一気に増えました。
筆者は、AIは方向性を増幅するための技術だと考えています。要件が正しければ、何倍もの速さで価値を生みます。一方、方向を間違えれば、その間違いも何倍もの速さで広がってしまいます。だからこそ、AI時代ほど「何を作るか」を決める要件定義と、それを支える統制が重要になるのです。
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松本 均(マツモト ヒトシ)
株式会社ROUTE06 創業取締役 / Acsim事業責任者ベイカレント・コンサルティングにてITコンサルタントに従事した後、楽天株式会社およびヤフー株式会社にてEC・広告システム・データプラットフォーム領域の設計・開発を担当。ストライプデパートメントにて執行役員CTO、Welbyにて執行役員/開発...
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