2026年8月25日、NTTデータは、デジタルワークスペース「BizXaaS Office」(以下、BXO)の新サービスとして、企業のAIエージェント活用を支える仮想デスクトップ(VDI)環境を追加すると発表。同年9月から基本機能を搭載したパイロット版の提供を開始し、2027年内に機能を拡充した商用版を提供する予定だという。
同サービスは、AIエージェントによる継続的な業務処理を前提としたVDI環境。AIエージェントの実行環境をクラウドまたは企業のオンプレミス環境上に構築し、利用する業務アプリケーションやデータへのアクセス権限、計算資源、実行状況、操作履歴などをエージェント単位で管理する。これにより、利用者端末の稼働状況やネットワークの接続状態に左右されることなく、あらかじめ設定した条件やスケジュールに基づいてAIエージェントが業務を継続実行できるとのことだ。また、AIエージェントごとに処理内容や結果を記録し、想定外の処理が発生した場合には実行環境を停止・切り離すことで、影響範囲を限定できる。そのほか、同日発表の統合AI基盤「LITRON」を含むAIエージェントに対し、安全かつ継続的に業務を実行するための環境を提供するとしている。
特徴
AIエージェントが社内の業務アプリケーションやデータに接続し、利用者端末から独立して業務を継続するためのVDI環境をクラウドまたは企業のオンプレミス環境上に構築。パイロット版では、AIエージェントごとに分離した実行環境と、業務アプリケーション、アクセス権限、実行条件、計算資源、実行状態、操作履歴を個別に設定・管理する基本機能を提供するという。商用版では、管理対象の拡張、異常検知、人による承認、組織・業務単位の利用状況管理などの機能を追加予定とのことだ。同サービスの特徴と各版で提供する機能は、以下のとおり。
(1)利用者端末に依存しない実行環境
パイロット版では、AIエージェントによる業務の継続実行を前提としたVDI環境をクラウドまたは企業のオンプレミス環境上に構築し、AIエージェントごとに実行環境を分離する。利用者端末上でAIエージェントを実行する場合、端末の停止やネットワークの切断によって処理が中断する恐れがあるが、同サービスは利用者端末から独立した実行環境を提供するため、端末の稼働状況やネットワークの接続状態にかかわらず、あらかじめ設定した処理を継続できる。
商用版では、AIエージェントが使用するアプリケーション、参照できるデータ、処理を開始する条件などを業務ごとにテンプレート化し、実行環境をあらかじめ設定できるようになる。これにより、利用者ごとの端末設定やアプリケーション構成に左右されることなく、AIエージェントが統一された環境で業務を実行できるようになる。
(2)AIエージェント単位の権限・実行管理
パイロット版では、AIエージェントごとに利用するアプリケーション、アクセス権限、実行可能な操作や実行条件を個別に設定できる。これにより、業務上必要な範囲を超えるシステムへのアクセスを抑制し、設定した範囲内でAIエージェントを動作させることが可能。また、処理内容や結果を記録し、管理者がAIエージェントの実行状態を把握できるようにする。必要に応じて、AIエージェントごとに分離した実行環境を停止または切り離すことで、他の実行環境への影響を抑制できる。
商用版では、AIエージェントが参照できるデータを管理対象に加えるとともに、想定外の処理や異常を検知する機能を追加。さらに、外部への情報送信や業務システムの更新など、企業が指定する操作には人による承認を組み込むことで、事前の権限制御に加えて実行時の統制を強化するとのことだ。
(3)利用状況に応じた計算資源・コスト管理
パイロット版では、業務内容や処理量に応じて、AIエージェントの実行環境に割り当てるCPU、メモリー、GPUなどの計算資源を設定できる。また、常時実行、スケジュール実行、処理要求に応じた起動など、業務に合わせて実行方式を設定し、AIエージェントごとの実行状態や計算資源の利用状況を確認できる。
商用版では、個別に確認していた実行時間や計算資源の使用量を組織、業務、AIエージェント単位で把握できるようになる。これにより、組織全体の利用実態に基づいて実行環境の構成や運用方法を見直し、計算資源の配分とコストを適正に管理できる。
想定ユースケース
- 外出先からの商談準備・情報収集業務:外出や商談が続く営業担当者に代わり、AIエージェントがVDI環境上で情報収集や資料作成を行う。営業担当者の端末の電源状態やネットワークの接続状況にかかわらず作業を継続できるため、担当者は商談の合間に資料や論点を確認できる。接続できる社内データやシステムの権限を事前に限定でき、処理量に応じて計算資源の割り当ても変更できる
- 月次の請求・支払処理業務:処理が一時期に集中する月次の請求・支払業務について、経理担当者に代わり、AIエージェントがVDI環境上で請求書の読み取り、照合、仕訳の起票、不整合の抽出を行う。退社後も処理を継続するため、担当者は翌日、結果の確認と例外的な取引の判断から業務を再開できる。会計データに社外から接続することなく、AIエージェントが設定された範囲の権限でアクセス。組織や時期ごとの処理量に応じて計算資源を配分することも可能
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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