PaaSを最大限に活用する運用管理ソリューション
WebSphere CloudBurstアプライアンスを使って、利用したいプラットホームを柔軟に配布し、アプリケーションを動的に稼働させる。それが実現できたら、次に必要となるのが、そのPaaS環境をいかに容易に管理できるかだ。例えば、特定のアプリケーションの処理を優先したい場合もあるだろう。さらに、稼働状況をモニタリングし、何らかトラブルが発生した際には、それを素早く回復する必要もある。
VMwareなどのハイパーバイザー製品にも専用の管理ツールがあり、PaaSの基盤部分まではこれを用い様々な管理が行える。しかしながら「それらツールでアプリケーションの稼働状況までは把握できません」と樽澤氏は指摘する。仮想化ソフトウェアなどに付属する管理ツールだけでは、PaaS環境全体を管理するには十分とは言えないのだ。
そこで、PaaS基盤上で稼働するアプリケーションの処理状況を監視するのが、WebSphere Virtual Enterpriseだ。これを利用すれば、稼働するアプリケーション毎に目標とする応答時間を設定し、その目標を達成するように動的にワークロード管理を実施できる。また、動的クラスター機能を用いれば、アプリケーションの処理状況に応じて、クラスター環境を自動で拡張・縮退することも可能だ。これらの機能により、アプリケーションのサービスレベル管理が可能となる(図3)。
また、リアルタイムに運用監視を行い、障害が発生した際にも自動回復する機能に加えて、あるアプリケーションを稼働させるインスタンスの最小数を補償する機能も提供している。これは、障害やメンテナンスでアプリケーション・サーバーが停止した際に、そのサーバーで動いていたアプリケーションがシステム全体としては停止することがないよう、最小の稼働インスタンスを維持するように監視し、必要に応じ自動的にインスタンスを起動させるものだ。これにより、長期間に渡る連続稼働が可能となるのだ。
「PaaS環境の運用監視を考えた際には、自動、自律化が鍵となります。それを可能にするのがWebSphere Virtual Enterpriseなのです」と樽澤氏。こういった管理機能があることで、PaaSを利用したいIT技術者はアプリケーションの開発と配備に注力できることになる。
適切な製品選択で迅速なPaaS環境を構築する
環境構築を自動化を適用するには、構築対象のシステム環境が標準化されていることが重要だ。また自動化によるメリットを最大化するには、スクラップ&ビルドを頻繁に繰り返すような環境に向いている。本番環境構築に利用しても良いが、むしろテスト環境構築こそPaaSの最適な適用分野と言えよう。
「普段自分たちが慣れ親しんだ環境をどうやれば、プライベートクラウドの環境に移行できるのか。その方法がPaaSの環境を構築することであり、それを実現するのがWebSphere Application Server Hypervisor EditionとWebSphere CloudBurstアプライアンスの組合せです。そして、そのPaaS環境をより効率的に管理するのがWebSphere Virtual Enterpriseなのです」(樽澤氏)。
何もAmazon EC2やGoogle App Engineなどと同様な大規模環境を自社に構築できなければ、クラウドコンピューティングが実現できないわけではない。自社のやりたいことに合わせ、適切な製品を選択しPaaS環境を迅速に構築することが重要となる。
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