本当のPaaSを実現するWebSphereの仮想化に特化したソリューション
以上のようなPaaS環境を実現するには、パターン指向と自動プロビジョニングが鍵となる。それを容易に実現できるのはWebSphereだと樽澤氏は言う。
PaaSにおいて、様々な利用パターンを構成する基盤となるのがサーバー仮想化技術だ。これとアプリケーション・サーバーを組み合わせて、様々なニーズに合ったパターンを構成する。IBM WebSphere Application Server Hypervisor Editionは、ハイパーバイザーの上で直接動くアプリケーションサーバーだ。OS、IBM Http Server、WebSphere Application Serverというアプリケーションを開発、稼働させるために必要なソフトウェア・スタックをフル装備したもので、ソフトウェアの導入と構成の手間を省いてくれる。
さらにIBMでは、このWebSphere Application Server Hypervisor Editionを効率的にハイパーバイザーに配備するためのハードウェア・アプライアンス製品、IBM WebSphere CloudBurstアプライアンスを提供している(図1)。これは、WebSphere Application Server Hypervisor Editionをハイパーバイザーに自動で配布するプロビジョニングサーバーだ。配布だけでなく、配布するイメージのパターンを構成したり管理したりといったことできる。
WebSphere Process Server Hypervisor EditionやDB2、Tivoliなども、合わせてパターン化し配布可能だ。WebSphere CloudBurstアプライアンスは、ハードウェアとして提供することで、素早く利用を開始できるメリットがある。汎用のサーバーを用意しソフトウェアでこれと同じことをできるよう構成することも可能だが、その場合に様々な設定、構築作業が発生してしまうのだ。
「WebSphere CloudBurstアプライアンスには、必要なものが全部入っているので、パターンを作って配布できるようにするまで、箱を開けてからほんの30分もあれば準備できます」と樽澤氏。クラウドで利用するならば、ユーザーにはこれくらいの利便性と俊敏性を提供できる必要があると氏は指摘する。
様々なパターンの作成は、GUIの管理画面でドラッグ&ドロップの操作で簡単に行える。各ミドルウェア設定に必要なパラメータの一部も、GUIから設定可能だ。スクリプトを作って対応するような詳細な設定に関しても、一度作成したスクリプトは再利用が可能だ。
また、一旦ハイパーバイザー上に必要な環境を構築し、それをパターンとしてWebSphere CloudBurstアプライアンスに取り込むこともできる。WebSphere Application Server Hypervisor EditionやWebSphere CloudBurstアプライアンスがあれば、PaaS環境を手間なくすぐに構築することが可能となるのだ(図2)。
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