プロジェクト経験が豊富な人ほど現実とのギャップに悩む
ここ数年、プロジェクトマネジメントへの関心の高まりとともに、PMPを目指す人たちに接する機会が大変多くなっています。その年齢層は、20代後半から70代前半までと実に幅広く、プロジェクト経験も6年程度という人から、40年以上という人までさまざまです。このようにPMPという資格が、世代を超えて注目されることは、大変喜ばしいことです。
そうした「受験生」と接していて、私には気になることがあります。それは、実プロジェクトの経験が長い人ほど、受験1回目での合格率が低く、「実行のプロセス」と「監視コントロールのプロセス」の正答率が低い傾向にあるということです。
その理由をいろいろと考えた末、「経験が邪魔をしている」という結論に達しました。いくつものプロジェクト(仕事)を体験してきた「受験生」は、PMP試験の問題に相対したとき、その身体に沁み込んだ自らの深い経験から、正解だと思う解答を選択します。しかし、その「深い経験」は、必ずしもPMBOKを土台とするプロジェクトマネジメントのガイドライン(基礎知識体系)に合っているとは限らないのです。
「プロジェクト経験豊富」な受験生は、先ず、過去の経験を忘れることが重要です。忘れるといいましても、もちろん、試験に臨む時だけです。PMP資格を取得すれば、その経験は、PMBOKの基礎知識とともに重要な武器になることはいうまでもありません。ここでは、PMBOKに記述されていない内容も含め、PMBOK勉強のポイントをまとめてみました。
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