テープの需要は伸びている
近年ではデータは爆発的に増加する傾向に有り、皆さんがお使いのパソコン(PC)のディスク・サイズもきっと年々大きくなっていることであろう。皆さんはPCディスクのバックアップなど取っていないかもしれないが、企業ユーザーが利用するサーバーのデータは、そういう訳には行かない。サーバーは壊れたら新しいのと取り替えるだけで済むが、ディスクが壊れた場合、メーカーはディスク装置そのものを入れ替えてはくれても、データまで入れて納めてはくれないからだ。サーバーは空箱でも役に立つが、ディスクは空のままでは役には立たない。故にデータをバックアップする事が大事になる。バックアップの更に深い部分については当コラムのバックナンバーを参照して頂きたい。
バックアップを保管する先はディスクでもDVDでもテープでも何でもかまわないのだが、信頼性やスピード、それにコストを鑑みると、企業ユーザーではテープを利用するのが一般的な選択となる。DVDなど光学系メディアも1つの選択肢ではあるが、容量が小さく、それにも増してとにかく書き込み速度が遅いというのが難点だ。日本人の多くは新幹線の影響で「ひかり」は速いとイメージしがちであるが、ストレージの世界において光は遅いというのが常識である。
故にディスクに保管するデータ量が多くなると、必然的にテープも多く使われることになる。これがテープの需要を押し上げている一番の理由だ。この他にもコンプライアンス問題や法規制の強化を受け、企業は以前よりも大量に且つ長期にデータを保管する必要性に迫られている。こういう長期保管目的にもテープは数多く利用されている。