3つのリアルタイムが経営革新をもたらす
今回オラクルが提供を開始したR11.1.1.5の特長は、リアルタイム検知、リアルタイム判断、リアルタイム実行という3つの「リアルタイム」がキーワードとなっている。
リアルタイム検知の「リアルタイム」にはいくつかの意味が含まれている。1つは、インメモリデータベースのTimesTenに対応したことで、超高速な処理の実現で得られるリアルタイム性だ。インメモリなので、莫大なデータをすべてメモリ上に載せることは、通常コスト的にも不可能だろう。関屋氏もある程度は集約したデータをTimesTenに置くことになるだろうと言う。その上で、バックエンドにOracle Exadataを配置すれば、インメモリ上でヒットしない詳細データについても、シームレスにExadataから取得することができ、全体としては極めて高性能なデータウェアハウスを構築できると主張する。
もう1つのリアルタイムは、ユーザーの作業タイミングを逃さないというリアルタイム性だ。これには、Oracle BIのモバイル対応機能が貢献する。多くのBIツールが、すでにモバイル環境には対応している。しかしながら、そのほとんどが参照機能のみの提供だとのこと。Oracle BIでは、参照するだけでなくPC画面でできる操作のほとんどがiPadなどからも利用可能とのこと。これにより場所と時間は選ばずに、ユーザーはデータの分析やシミュレーションの作業が行える。
リアルタイム検知のもう1つの機能が、基幹系のアプリケーションとのリアルタイムな連携だ。BI Applicationsという機能が提供されており、これによりOracleが提供するERPなどのアプリケーション群はもちろん、SAP Business Intelligenceなどと接続するアダプタも用意され、リアルタイムな連携が可能だ。BI Applicationsを活用することで、さまざまなデータソースからいったん集約して、それに対して分析を行うのではなく、各種データソースに直接アクセスして発生したデータに対しリアルタイムな分析、シミュレーションが可能になる。