試行錯誤の中で動画やツールの効果的な利用方法がわかってくる
動画コンテンツを作成していく中でさまざまな注意点や工夫すべき点も見えてきた。
もともと、ブログなどで情報を発信する際には、子ども達のプライバシーには十分に注意してきた。動画コンテンツを作る際にもこれは同様だ。公開する可能性がある動画については、園児達の顔が映らないよう教室の後ろから撮影したり、もし顔が映ってしまえば、なるべく違和感のないようにぼかしを入れたりするなどの画像加工も必要となる。
また、撮影する動画の内容によって、どういったアングルからの撮影が、より伝わりやすいかなどもわかってきた。たとえば、折り紙の折り方を解説するのに、最初は折り紙を折っているスタッフの正面から撮影を行っていた。しかし、それだと映像を見ながら実際に折り紙を折ろうとしても、映像では左右が逆になってしまう。これを、折っているスタッフの肩口から手許を撮影すれば、映像と折る向きが一緒になり、よりわかりやすい動画になるのだ。こういったことは、実際に自分たちで試してみないことには、なかなか気付かないポイントだろう。
こういった注意点や工夫のポイントを踏まえて、試行錯誤しながらコンテンツを作成している。
Camtasiaであれば、動画にキャプションを挿入したり、動画と静止画を組み合わせたりといったことが、直感的に行える。
「動画を作る際には保育園の理念がどういうことだったか考え、その理念が動画になって伝えられるといいなと考えています」(山川氏)。
ちょうどいいことに山川氏は、もともとこうしたツールを使うのが好きだった。どんな機能があるのか探して、それの便利な使い方がわかって、使いこなせるようになると楽しいと言う。山川さんによれば、Camtasiaは現在のバージョン7になって、さらに使い勝手がよくなったとのことだ。
子育て中のおかあさんに役立つ情報を動画で発信
先に紹介した折り紙の折り方や、子ども達が憶えてくる歌の正確な歌い方の紹介動画などは、おかあさん達から要望があり作成した。今後も、こうした要望は、どんどん取り入れていきたいという。
「おかあさん達の反響がでてくれば、さらにいい動画コンテンツを作っていこうという気持ちになると思っています」(山川氏)
また、はずみがついたところで、将来的には、なあな保育園の父母だけでなく、子育て中の親であれば、誰でも役に立つようなコンテンツをどんどんYouTubeなどに挙げていきたいとのことだ。
「保育士だからといって、従来通りの保育の仕事だけができればいいという時代ではありません。保育士それぞれに個性があり、得意なものを持っています。保育の基本に加え、これからの保育士はそういった能力をどんどん活かし、結果的に保育の質を上げていくことが大事です」(原田園長)
かつて、一部のスペシャリストのみが使っていた動画ツール。あらゆる人々が完成度の高い動画を作成・活用したマーケティングやコミュニケーションを展開するためにも、今後はCamtasiaのようなコストが手ごろで使いやすいツールが必須となるに違いない。