「MotionBoard for Salesforce」を提供
国産BIツールとして実績も多いDr.SumEAなどを提供するウィングアーク社を傘下にもつ、1stホールディングス。同社は、セールスフォース・ドットコムからの資本投入を受け、本格的なクラウドサービスに参入することを発表した。
「今回の提携は、2年くらい前から考えていました。具体的な活動は1年ぐらい前からで、やっと今回の発表にこぎ着けました」と語るのは、1stホールディングス代表取締役社長の内野弘幸氏。
提携のための活動をしている中で、昨年はセールスフォース・ドットコムの米国で開催される年次イベントDreamforceにも参加し、CEO マーク・ベニオフ氏の話に感動を受け、提携することの意義を改めて確信することになる。
1stホールディングスでは、昨年3月にVarioSecure Networksを買収し、セキュリティとASPのソリューションを手に入れている。このセキュリティの要素を手に入れたことは、企業向けにクラウドのサービスを展開する上で重要なポイントとなる買収だったという。ウィングアークのソフトウェア資産とVarioSecure Networksのセキュアなサービス事業を掛け合わせ統合したことで、VarioCloudという新たなクラウドサービスを展開できるようになった。
その上で、今回のセールスフォースとの提携がある。自社のVarioCloudのサービスに加え、今回はセールスフォースから4,800万円の出資も受け同社と業務提携を行う。
「この業務提携によって、これ日本市場において真のクラウドBIを実現し、成長の軸となるクラウドサービスをグローバル化するといったことを目指す。さらには、セールスフォースが得意としているソーシャル・クラウドに向けた展開も大きく進め、企業ニーズの高いクラウドとオンプレミスの連携も実現していく」(内野氏)
具体的には、1stホールディングスのBIクラウドサービスであるMotionBoardを、密にセールスフォースのサービスと連携させるための「MotionBoard for Salesforce」を提供する。そのために必要となるforce.com環境対応のための開発を、今回出資を受けた資金を活用し行う。
最初の連携レベルは、セールスフォースの画面の中で、MotionBoardが1つのタブとして機能するようにし、両社のサービスがシームレスに連携できるようにする。そして、セールスフォースのChatter機能をMotionBoardの中で利用できるようにもする。次のレベルでは、社内システムのデータとセールスフォースのデータを1つにしBI分析できるようにする。
ここまでを、2012年12月までにサービスとして提供できるようにする予定だ。さらに2013年以降には、ソーシャルメディア連携などを強化していく。