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ビッグデータの課題を克服する「Oracle Big Data Appliance」現場へのインパクトは


4月23日、日本オラクルはビックデータ処理向けのエンジニアド・システム(ハードウェアとソフトウェアを統合した製品)「Oracle Big Data Appliance」を提供開始した。また同製品に組み込まれているソフトウェア「Oracle Big Data Connectors」も提供開始となった。

日本オラクル 執行役員 ソフトウェアライセンス事業 製品事業統括 製品戦略統括本部長 山本恭典氏
日本オラクル
執行役員 ソフトウェアライセンス事業 製品事業統括
製品戦略統括本部長 山本恭典氏

 日本オラクル 執行役員 ソフトウェアライセンス事業 製品事業統括 製品戦略統括本部長 山本恭典氏は(3月の記者発表時に比べて)「専任部隊を増強し、パートナー企業との取り組みもすでに始まっている」と話す。

 近年、企業はブログやソーシャルメディアといった多彩な情報から洞察を得たり、スマートメーターのように従来より詳細なデータを分析したりするなど、いわゆる「ビッグデータ」をビジネスに活用する動きが進んできている。

 またユーザー、デバイス、サービスの増加により、データは量・質ともに広がる一方だ。現場はシステムの性能はもちろん、スキーマやロジックを考える人員も必要になり、あまりの量と種類にデータを持てあましてしまいかねない。オラクルにはこれまでビッグデータに取り組む顧客企業を中心に「なんとかしてほしい」と状況打開への期待の声が寄せられていたという。

 そこでオラクルが提供するソリューションが「Oracle Big Data Appliance」。昨年秋のOracle OpenWorld San Franciscoにて発表され、日本で提供開始となった。

 ビッグデータを運用する現場では主に次のような課題を抱えている。システムの可用性、性能(特にデータのロード時間)、データ解析に最適なソフトウェア選定、ハードウェアとソフトウェアの調達や管理などだ。

 こうした課題を克服するのが「Oracle Big Data Appliance」であり、これを構成するソフトウェア群である。ソフトウェア群でポイントとなるものを挙げる。

 (1)Oracle NoSQL Database
 BerkeleyDBを元に開発したキーバリュー型データベース。高い拡張性と可用性を持つ。

 (2)Oracle Big Data Connectors
 Hadoop(HDFS)へのアクセスを容易かつ高速にする。4つのコネクターの総称。Oracle Loader for Hadoop(HadoopからOracle Databaseへデータを高速にロード)、Oracle Data Integrator Application Adapters for Hadoop(MapReduceコードを自動生成)、Oracle Direct Connector for Hadoop(Oracle DatabaseからHDFSにSQLベースでアクセス)、Oracle R Connector for Hadoop(RからHDFSへネイティブにアクセス)からなる。

 (3)R
 オープンソースの統計解析言語。

 (4)Cloudera CDH
 企業での利用を想定し、高い安定性を持つHadoopディストリビューション。Apache Hadoop用管理アプリケーションCloudera Managerも搭載済み。

 ビッグデータを扱う上でHadoopは欠かせない。そこで安定性で定評のあるCloudera CDHを採用。同時にキーバリュー型のOracle NoSQL Databaseも搭載。データ解析にはオープンソースで普及したRを使う。これらを円滑に接続するためにコネクタ群がある。

 「Oracle Big Data Appliance」を使うメリットとして現場にインパクトがありそうなのがデータのロード時間である。単純にHadoopを利用するだけだと処理時間は短縮できるが、データのロードという落とし穴がある。せっかく処理時間を短縮できても、その短縮分をロード時間が相殺してしまうこともままあるそうだ。ここにOracle Loader for Hadoopを使うとロード時間がぐんと短縮できるという。

 それからハードウェア。最小構成でSun X4270 M2サーバーが18ノード。メモリーは864GB、CPUは216コア、ストレージは648TB。Hadoop環境ではMap/ReduceのShuffleやSortでネットワークを酷使してしまいがちであるが、ラック間・ノード間に40GB/sのInfiniband Fabricを使うことでネットワーク帯域がボトルネックになるのを防ぐ。

 これらを組み立てるとなると相当な労力がかかる。しかし「Oracle Big Data Appliance」は納品時にはすでに組み立てと配線が完ぺきな形で仕上がっている。導入時の労力を大幅に削減できるのも現場にはありがたい。

 冒頭に述べたように日本オラクルでは専任部隊を結成し、オラクル青山センターにデモおよび検証環境としてOracle Big Data Appliance実機を稼働させている。パートナー企業との取り組みは山本氏によると「2桁に届くくらい」の企業が参画しているという。先進的な顧客とのベータ取り組みも開始し、こちらは「片手アルファ」くらいとのこと。3月の記者説明会から1ヶ月に満たない間に実績が着実に増えていることをにおわせた。

 なおOracle Big Data Applianceは最小構成で5190万1612円。同時に提供開始となるOracle Big Data Connectorsは単体では22万8270円。

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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