MySQLのインストールは非常に簡単
MySQLはフィンランドの技術者であるMichael "Monty" Widenius氏らによって開発され、現在はオラクル社で開発されているオープンソースのRDBMSです。WebサービスやECサイトのバックエンドとして利用されることが多く、オープンソースのRDBMSとしては世界で最も高い市場シェアを獲得しています。シンプルな動作による高速性やレプリケーションによる拡張性などが評価されて発展を続けてきましたが、最新の安定版(2012年6月現在)であるMySQL 5.5に至るまで数多くの機能追加がなされており、機能面でも商用RDBMSに迫りつつあります。
MySQLはデュアルライセンス方式を採用しており、無償で利用できるコミュニティ版と有償の商用版が存在します。RDBMSとしての基本機能に差はありませんが、商用版には拡張性や可用性、セキュリティなどを強化する独自の機能が実装されています。
RDBMSというと少し取っつきにくいイメージがありますが、MySQLは誰にでも簡単に利用できるシンプルなRDBMSです。本連載では、MySQL 5.5 Community Editionのインストールと、データベースが使えるようになるまでの初期設定手順を詳しく解説します。ダウンロードの画面から実際に使用するコマンドまでステップ・バイ・ステップで解説しますので、初心者の方でも心配ありません。
第1回目となる今回は、MySQL 5.5 Community Editionのインストール手順について解説します。
MySQLがサポートしているプラットフォームを確認する
インストールを行う前の作業として、まずはMySQLがサポートしているプラットフォームを確認します。MySQLのWebサイト内にある『Supported Platforms: MySQL Database』にアクセスします。
OSとアーキテクチャ別にサポートされるMySQLのバージョンが異なるため、●印がついた組み合わせを使用してください。この一覧は随時更新されるので、比較的新しいOSを使う場合などは必ず最新の情報を確認してください。本連載では以下の環境を使用します。
OS | Red Hat Enterprise Linux 5.5 64bit(x86-64) |
CPU | Intel(R) Xeon(R) CPU X5650 2.67GHz (2CPU12コア) |
メモリ | 16GB |